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『やがて海へと届く』の浜辺美波が過去最高のハマり役となった理由

文=ヒナタカ

『やがて海へと届く』の浜辺美波が過去最高のハマり役となった理由の画像1
C) 2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会

 4月1日より、映画『やがて海へと届く』が公開されている。

 幻想的な描写などから「実写化困難」とも囁かれていた彩瀬まるの同名小説の映像化に取り組んだのは、「詩的」とも言える作家性を持つ俊英・中川龍太郎監督。直近ではスタジオジブリによる愛知県観光動画『風になって、遊ぼう。』も話題となった。

 そして、『愛がなんだ』(18)で絶賛を浴びさらに活躍を続ける岸井ゆきのが主演を務め、人気も実力も若手俳優の中でトップクラスの浜辺美波が不思議な魅力を持つ少女を存在感たっぷりに演じている。深い絆までもを感じさせる2人の映画初共演を、美しい映像と音楽と共に、じっくりと見届けられる内容となっていたのだ。さらなる映画の魅力を記していこう。

「喪失感」と向き合う物語

『やがて海へと届く』の浜辺美波が過去最高のハマり役となった理由の画像2
C) 2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会

 あらすじを記そう。引っ込み思案で自分をうまく出せない真奈は、自由奔放でミステリアスなすみれと出会い、親友になる。しかし、すみれは一人旅に出たまま、なぜか突然いなくなってしまう。5年後のある日、真奈はすみれのかつての恋人の遠野から、彼女が大切にしていたビデオカメラを受け取る。そこには、真奈とすみれが過ごした時間と、知らなかった彼女の秘密が残されていた。真奈はもう一度すみれと向き合うために、彼女が最後に旅した場所へと向かう。

 本作は「喪失感」を描いた物語だ。主人公は親友の不在をいまだ受け入れられず、彼女を亡き者として扱う周囲に反発を感じている。だが、残されたビデオカメラをきっかけに、その喪失感そのものに向き合おうとするのだから。身近な大切な人を亡くしてしまう不幸は誰にでも起こりうることであるし、死がきっかけでなくてもずっと離れ離れになる切ない別れもまた多くの方が経験することであるので、とても普遍的なテーマと言えるだろう。

 なお、中川龍太郎監督は大学時代の親友を亡くしており、「自分を導いてくれるような存在が突然に暴力的に消えてしまう」ことが作品を作る原点であるとも語っている。『 走れ、絶望に追いつかれない速さで』(16)や『四月の永い夢』(18)もまた大切な人の死を描いた作品であり、今回の『やがて海へと届く』でも「憧れの存在がなくなったとき、人は少し自立しなくてはならなくなる」ことが描かれている。今回は原作となる小説があり、そのエッセンスを大切にしつつも、監督のパーソナルな経験も反映された映画となっているのだ。

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