スネ夫こそ、人生をうまく切り抜ける天才!?『「スネ夫」という生きかた』
2012/10/03 21:00
#本 #ドラえもん
ジャイアンをうまくホメることで気に入られるスネ夫と、正直に言ってバカをみるのび太。これって、現実でもよくあることじゃないだろうか。
本書では、こんなスネ夫の計算ずくの行動のひとつひとつを、発想を変え、すべて肯定的に考える。天才的な口のうまさと要領の良さ――。これをちょっとでも盗み、人生をうまく生き抜こうではないか、と提案している。
前述したエピソードは、スネ夫の「ホメ力」が発揮された内容だが、そのほかにも、エコひいきされやすくなるわけ、罪のない上手なウソのつき方、レディーファースト力についてなどなど、スネ夫の「教え」が29の項目に分けられ、紹介されている。
正直者には、キーっと腹が立つ内容かもしれないが、これからの時代、世渡り上手になるには、「スネ夫力」は必須の能力であり、結局、得をする。これを読めば、スネ夫がなんだか「デキる男」に見えてくる……かもしれない?
(文=上浦未来)
●よこやま・やすゆき
1942年岐阜県生まれ。東京教育大学体育学部卒業、東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。フルブライト交換留学生。現在は富山大学人間発達科学部名誉教授で教育学者(教育学博士)。本来の専門は生涯スポーツ論だが、『ドラえもん』を研究する「ドラえもん学」の提唱者としても知られる。ドラえもんの研究とともに、高岡市立中央図書館に全国初の「ドラえもん文庫」を設立。新聞、雑誌などへの登場も多数。著書に『「のび太」という生き方』『「のび太」が教えてくれたこと』などがある。また、「ドラえもん学」をはじめとした講演を、全国で精力的に行っている。
最終更新:2012/10/03 21:00
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