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『性愛空間の文化史』著者・金益見インタビュー

「なぜ、お城型のラブホテルは消えたのか?」目からウロコの“エッチ空間”の歴史学

meguro_emp.jpg目黒エンペラー

 幼い頃、街中にそびえ立つお城を見て、不思議に思った読者の方も多いのではないだろうか。年齢を重ねるにつれ、あのお城がラブホテルだったことを知り、その後、自らも利用するようになる。今ではすっかり、あのお城を見なくなってしまったが……。

 そんな日本の性愛空間について、連れ込み旅館からモーテル、そして現在のラブホテルまでを豊富な資料と共に考察したのが『性愛空間の文化史』(ミネルヴァ書房)だ。著者の金益見氏に、1970年代以降から現在までのラブホテルの流れを中心に話を聞いた。

――ラブホテルに興味を持ったのはなぜですか?

金益見氏(以下、金) 小学生の時、テレビドラマで殺人事件の現場として描かれていたのがラブホテルで、その時、初めてラブホテルを認識しました。中高生になると、「ベッドの下に死体がある」とか「注射器が置いてある」といった、危険なイメージの噂を耳にするようになりました。ですから、ラブホテルに対して「セクシャルなイメージ」というより、「ダークで怖いイメージ」を抱いていました。ところが、90年代に入ると情報誌で明るくポップなイメージで特集を組まれるようになり、私の中のイメージとのギャップに違和感を抱き、調べてみようと思ったんです。

――確かに、テレビドラマのサスペンスでは、そういった怖いイメージで描かれていた印象があります。今まで何軒くらいのラブホテルを取材されているのでしょうか?

 だいたい300軒ほどではないかと思います。ただ、何軒かというよりは、何室見たかのほうが重要なのです。1軒のラブホテルでも、一番料金の高い部屋と、真ん中、一番安い部屋を見ないと、そのホテルが何を発信しているのかわかりません。

――30代以上の読者の中には、ラブホテルといえば、幼い時に街中で見かけた“謎のお城”の印象が強いと思います。その先駆けとなったのが、1973年にできた目黒エンペラーだったわけですね。

 ラブホテル業界において、目黒エンペラーはエポックメイキング的存在です。外観はおとぎの国をイメージした西洋風の古城でした。また外観だけでなく、当時の資料映像を見ると、奇抜な仕掛けが満載でした。例えば、ゴンドラバスという仕掛けです。これは男女が裸でシースルーのゴンドラに乗ると、ゴンドラごと移動し、お風呂に浸かるというものです。今見ると「こんなんいるか?」と思うような仕掛けですが(笑)。しかし、そういった外観や仕掛けが、それまでの連れ込み旅館のイメージを一掃したのです。

 また、当時を知るアメニティ会社の方に話を聞くと、取材に来たマスコミに、粗品として3,000~5,000円くらいのライターを渡していたそうです。そのため、マスコミが押し寄せ、大変な話題となり、都内だけでなく全国から観光客が押し寄せたそうです。

 すると、お城の外観をしたホテルであればお客さんが来ると考えた全国のラブホテル経営者が、次々と同じような外観のホテルを造っていったのです。これはラブホテル業界の特徴で、何年かにひとり、遊び心のある経営者が出て、新たな試みをして成功すると、それがあっという間に広がるんですね。また、ラブホテルの建築は特殊なので、数社の建築会社が請け負っています。その数社が全国にホテルを作っているので、外観としては似たようなホテルが多くなります。

――その後、1985年に新風営法が施行され、ラブホテルの外観もシンプルでシックなものへ変わっていくと。その理由とはなんでしょうか?

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