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【『ニコ生ナックルズマガジン』出張版】歌舞伎町・リアル「龍が如く」

 機会があってヤクザの組長に取材することになった。歌舞伎町では誰でも知っている親分である。しかし、見かけは普通っぽく見えるし、服装も稼業のそれではない。

 歌舞伎町さくら通りを歩いていると、事もあろうかキャッチが「DVDありますよ」と彼に声をかけてきた。周りで見ていた「関係者」たちが血相を変えて寄ってきて「バカ野郎、誰にキャッチしてんだ」と怒鳴りつけた。

 僕はその話を聞いて呆れた。親分にまで声をかけるんだから、一般人はたまらないよな、と。暴対法でも暴排条例が施行されても、ヤクザはいなくならない。むしろ堅気にさせて、やっていることはヤクザのそれにする。あるいは架空請求などでご老人から金を取ろうとする。こういうのは論外だが、繁華街の在り様としてヤクザの地回りはあってもいいんじゃないかと今は思っている(当時は嫌だったが)。

 ヤクザの語源は様々だが「役に座る」と書いて役座という説がある。その土地土地に顔「役」がいて、外からのヤカラを追い払うというものだ。「暴対法と暴排条例でヤクザはいなくなる」と言って喜んだ警察官僚がいたそうだが、余計に治安が悪くなっている気がする。

 読者の皆さんにおかれましては、歌舞伎町も六本木もキャッチについて行かなければ安全だ、と言いたいところだが、アフリカ人を含む悪質なキャッチも多くなってきた。

 僕からすれば完全に逆効果だ。それ以前はヤクザは分かりやすかった。だから近づかなければよい。それが今は通じなくなっている。どの時代にもどの国にもヤクザはいる。北朝鮮のような国は別だ。そして、無法なギャングや愚連隊を取り締まるのがヤクザだった。それが現在はいない。警察は果たして取り締まれるのか。僕にはどうもそうは思えない。「繁華街の在り様」がおかしくなっている。
(文=久田将義)

●ひさだ・まさよし
 1967年東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜育ち。法政大学社会学部を卒業後、(株)産経メディックスに入社。その後、三才ブックスに入社、「別冊ラジオライフ」編集部に所属。後に、ワニマガジン社へ移籍、その傍ら、ムック「ワニの穴」シリーズの編集人。2000年、ミリオン出版に移籍し「ダークサイドJAPAN」の創刊編集長。2001年、「実話ナックルズ」編集長。2005年、「実話ナックルズ」編集長兼任で「ノンフィクスナックルズ」「THE HARD COREナックルズ」創刊、2012年9月末日にミリオン出版を退社。2012年9月より、ニコニコでブロマガ「久田将義の延長!ニコ生ナックルズ」を配信開始。

・久田将義の延長!ニコ生ナックルズ
<http://ch.nicovideo.jp/hisada>

最終更新:2013/03/14 12:00
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