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ドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と2』公開記念インタビュー(前編)

大震災の被害に遭ったのは人間だけじゃない! 被災地に取り残されたペットと家畜の過酷な現状

grequlq.jpg福島市にある動物シェルター「SORA」の代表・菅野利枝さん。
警戒区域で保護された犬30匹、猫20匹前後の世話をしている。

──宍戸監督は学生時代に飯田さんからドキュメンタリー製作のレクチャーを受けたそうですが、最初から『犬と猫と人間と』の続編を作ろうという意識でカメラを回し始めたわけではなかった?

宍戸 そうですね、最初から映画にしようと考えていたわけではないですね。震災までは東京の北千住で暮らしていたんですが、実家のある宮城がどんな状況なのか心配で2011年3月19日に帰郷し、そのときからカメラを回し始めました。地元の人たちが生きている姿をとにかく映像として記録しようと思ったんです。でも、被災した方たちにカメラを向けることができなかった。カメラを向けたら、何か言葉を掛けなくちゃいけない。『犬と猫と人間と2』の冒頭で全壊した家の前に佇んでいた男性に「ご実家ですか?」と僕が話し掛けて無視される様子が映っていますが、被災地の真っただ中で、まともに取材することができなかったんです。

飯田 被災地の現実に、自分なりに向き合おうとしたわけだよね。意気込みはあっても、実際に被災した人にカメラはそうそう向けられない。

宍戸 被災地を回って3日間は何も撮れませんでしたが、石巻で一匹の猫が瓦礫だらけになった商店街を横切るのに気づいて、慌ててカメラで追ったんです。そのとき「いい画が撮れた?」と声を掛けてきたのが、お好み焼き屋のご主人・小暮榮一さん。震災前から野良猫に餌をあげていた小暮さんから話し掛けられたことで、ようやく落ち着いてカメラを回せるようになったんです。その後、飯田さんから動物愛護団体「アニマルクラブ石巻」の様子を見てきてほしいと電話で頼まれ、アニマルクラブを通して被災動物たちの実情を知りました。そこで被災地が復興していく様子、震災を生き延びた動物たち、それに復興に大きな影響をもたらしている原発事故問題を、ひとつの作品にできないか考えるようになったんです。

飯田 僕も最初は宍戸くんの撮った映像が、映画になるとまでは考えてなかった。被災地の動物たちの状況が分かればいいなくらいに思っていた。ドキュメンタリー作品は、実際にどんな人に出会っていくか次第で全然変わってくるもの。アニマルクラブ石巻の代表・阿部智子さんに会うことは僕から頼んだわけだけど、宍戸くんは「飯田監督の弟子ですが……」なんて自己紹介しながら取材してたよね。僕は弟子なんか取った覚えは全然ないのに(笑)。

宍戸 すみません。阿部さんが施設内の片付けで忙しそうにしていたので、「何か言わなきゃ」と、咄嗟に出てしまった言葉なんです(苦笑)。

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