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「潰されるか、警察の天下り先を作るか」2択を迫られる“不倫モノ”エロマンガ業界の苦悩

ainotaiken.jpg「愛の体験 Specialデラックス」2013年08月号(竹書房)

 エロ本がコンビニから消えるのか。東京五輪実現に向けて加速する「東京都有害図書指定」で摘発続出かと、出版関係者が戦々恐々としている。


「何しろ石原慎太郎都知事の時代から、五輪誘致が持ち上がるたびに『視察団がコンビニに寄って、たくさんのアダルト雑誌を発見したら、東京の心証が悪くなる』と、アダルト雑誌の規制が厳しくされてきましたからね。石原路線の猪瀬直樹都知事も、そうした方向性はそのまま引き継いでいて、また青少年健全育成条例を建前にした有害図書指定の摘発基準が厳しくなりそうです」(出版関係者)

 昨年の摘発は約30誌もあったところ、今年は4誌と減って規制も落ち着いた感はあったのだが、麻生太郎元首相や滝川クリステルが担ぎ出されての東京五輪誘致活動の活発化で、再びその動きがありそうだと言う出版関係者は多い。

 アダルト雑誌編集者によると「摘発されやすいのは、未成年の少年・少女が野放図な性行為をしたり、そして不倫する主婦を赤裸々に描くようなマンガ。昨年、摘発された『愛の体験Special デラックス』(竹書房)や、『微熱主婦』(リイド社)も不倫している男女の淫猥なセックスがやり玉に挙げられた」という。

「おそらくこれからはその範疇も広げられ、体をなぶるような行為や、道具を使ってのSM場面なども危ないだろうと、先に雑誌側がそういった内容のものを自主規制し始めています」(同)

 実際、都の青少年・治安対策本部の関係者からも「複数の男女が絡んだり、レイプシーンがあるのはいかがなものか」という声が出ており、摘発対象の拡大は既定路線となっているようだ。この有害図書指定の選定には、猪瀬都知事の信頼が厚い、元警察官僚で教育委員の竹花豊氏の意向が強いとされるが、出版関係者は「要するにこれは、出版界に新しく警察関係の天下り先を作れ、そうでなければ潰すという圧力」だという。

「出版社側が新たに自主規制に関連する天下り団体を作らなければ、当局に従わなかった見せしめとなるのでしょう。だって海外の人間から見たら、コンビニのエロ本より街中にあるパチンコ店の方が異様なのに、パチンコに関しては一切スルーなんですから」(同)

 しかし、近年はアダルト雑誌の販売部数も激減し、そんな天下り先を作るほどの体力が出版界にあるとは思えない。実際、書店、コンビニからはアダルト雑誌が毎年、その数を減らしているだけなのだ。

「平均すれば月2冊ずつ休刊している感じ。潰れてもいいような存在だから、見せしめにしやすいのかも。自滅か圧力か、どっちにしてもコンビニからアダルト雑誌コーナーそのものがなくなる可能性はあります」(前出・アダルト雑誌編集者)

 あるマンガ作品は売れ行き好調だったにもかかわらず、コンビニ置きが困難になったため増刷がかなわなかった。その手の雑誌編集者たちは「次は自分たちか」と表情は暗い。
(文=鈴木雅久)

最終更新:2013/07/11 21:00
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