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剛力彩芽なんて甘い! 安田成美、牧瀬里穂、そして…『あまちゃん』もビックリの音痴女優列伝

 往々にして女優の歌手デビュー曲は豪華な作家で布陣が組まれるもので、「Miracle Love」も作詞・作曲を竹内まりやが、アレンジを小林武史が担当。まるで女優が初めて脱ぐときのように、「ついにあの牧瀬里穂が歌を歌う!」という期待が高まるもったいぶったイントロなのだが、歌い出しから失敗感が楽曲を覆い尽くすという脅威のガッカリ度。しかも、最初は歌ヘタがやりがちな合唱曲ふうの”間違った情感の込め方”で歌っているのに、Aメロの途中にして、突然、地に近い声ではしゃぐように歌い出すという謎……。この”音痴なのに無邪気”っぷりが聴く者に与えるイライラの大きさは驚異的。これは彼女が初主演した月9ドラマ『二十歳の約束』(1992年/フジテレビ)にて「ヒューヒューだよ!」という台詞の言い回しで視聴者をカチンとさせ、顰蹙を買ったのと同じ構造だ。最高潮に達した評価を大暴落させてしまった、まさしく奇跡の一曲である。

音痴女優の決定版! 沢口靖子「潮騒の詩」(1984年)

 だが、音痴女優の決定版は、沢口靖子の「潮騒の詩」(1984年)だろう。これは沢口のデビュー映画『刑事物語3 潮騒の詩』の挿入歌で、彼女にとってのデビュー曲。おわかりのように『潮騒のメモリー』とタイトルも極似で、一部では、クドカンは沢口の凍てつく音痴ぶりから歌の吹き替えという物語の重要な展開を発想した……との説も出ている。そう考えると、この歌が果たした意味は大きいと(今なら)言えるだろう。

 ちなみに沢口は、その後も世間の評価をものともせず、シングルを4曲も発表。上達がまったく見られないどころかどんどんと音痴に磨きをかけ、最後のシングルとなっている『FOLLOW ME』では、作曲の小室哲哉をはじめ、渡辺美里「My Revolution」のスタッフを集結。エバーグリーンな歌を台無しにする”音痴女優の到達点”がここにあるといっても過言ではない、素晴らしい出来栄えである。

 このほかにも、美人とカラオケに行ったら下手でがっかりしたときの気持ちを見事に再現した木村佳乃の『イルカの夏』(1998年)や、なぜかトルコ行進曲のメロディから始まる、つみきみほ『時代よ変われ』(1988年/これも松本隆・細野晴臣の作品)など、発掘すべき楽曲は山ほど存在する。ただ、不思議なことに、上手い・下手では語れない魅力がこれらの歌には詰まっているのだ。

 時代に埋もれた音痴女優による名曲たち。『あまちゃん』人気をきっかけに、歌謡曲における音痴が果たした役割にもスポットが当たることを願わずにはいられない。
(文=宇多野 純)

最終更新:2013/09/13 14:21
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