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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.245

“人種差別”の壁に挑んだ男たちの実録ドラマ! 背番号が与える重みと力『42 世界を変えた男』

42_2.jpgロビンソン(チャドウイック・ボーズマン)は罵声が飛び交う球場で、チームメイト、ファン、マスコミが納得する成績を残さなくてはならなかった。

 球団職員たちには「これはビジネスだ」と説く一方、リッチー会長にはもう1つの思惑があった。戦争が終わり、これからは新しい平和な時代。人種隔離制度がおかしいことはみんな気づいているのに、誰もそのことに触れようとしない。それならば球界が、フェアプレーの精神を重んじる野球人こそが率先して改革に取り組むべきではないのか。リッチー会長は豪腕ビジネスマンであると同時に、誰よりもドジャースを愛し、そして野球が大好きだった。お金儲けという“実利”と差別のない社会づくりという“理想”、この2つの歯車が噛み合い、リッチー会長の「偉大なる実験」が動き始める。

 リッチー会長のお眼鏡に適ったのは、ニグロリーグに参加して間もない26歳のロビンソンだった。当時のニグロリーグには超人級のスーパープレイヤーたちがゴロゴロしていた。投手のサチュル・ペイジは時速170キロの豪速球を投げ、さらにホームベースに置いたタバコの箱にボールを当てて倒してみせる絶妙のコントロールも備えていた。“黒いベーブ・ルース”と呼ばれるジョシュ・ギブソンは通算本塁打が900本を越えるスラッガーだった。彼らの超絶プレーを観るために黒人ファンはニグロリーグに押し寄せた。だが、リッチー会長はあえてスーパースターではないロビンソンを抜擢する。まだ伸びしろのあるロビンソンがメジャーリーグに移籍して成長する姿こそが、ファンの感動を呼ぶと考えたのだ。もうひとつ、ロビンソンがUCLAに在籍し、陸軍将校を務めたプロフィールも重要視された。白人社会の中に入っても、ロビンソンなら理不尽なトラブルに冷静に対処できるだろうと。ドジャースの事務所に呼び出されたロビンソンは、リッチー会長に求める選手像を尋ねる。「会長はやられてもやり返さない腰抜けが欲しいんですか?」。プレイヤーとしての能力だけでなく人格面も見込んでいるリッチー会長の返事はこうだ。「やられても、やり返さない勇気の持ち主がほしいんだ」。

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