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『フタバから遠く離れて 第二部』公開直前インタビュー

「“金目”ですべてが解決するのか――」原発事故から3年半……原発避難自治体・双葉町を引き裂く“分断”と内部対立

futaba2main.jpg(C)ドキュメンタリージャパン/ビックリバーフィルムズ

 2012年に公開されたドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』は、原発事故をきっかけに、埼玉県加須市の旧騎西高校に避難所を設置した福島県双葉町の姿を追う作品だった。今回、この続編となる『フタバから遠く離れて 第二部』が公開される。12年の正月から14年8月まで2年8カ月を密着し、避難所の閉鎖、町長の解任、そして中間貯蔵施設の受け入れ問題など、双葉町に起こったさまざまな変化と、その変化がもたらした心の中の葛藤が映し出されている。

 東日本大震災に関する報道は日々激減し、世間的にもその関心も薄れつつある。今、この映画を見ることによって、我々が得られるものとはいったいなんだろうか? 監督の舩橋淳氏を取材した。

――第一部から2年を経て、『フタバから遠く離れて』の第二部が公開されます。まず、本作を撮ろうと考えたきっかけを教えてください。

舩橋淳監督(以下、舩橋) もともと前作の製作段階から、双葉町のみなさんが安心して暮らしていける場所に落ち着くまでは撮り続けようと考えていました。ですから、第一部が終わった後も、撮影を続けていたんです。現在でも仮設住宅で生活している人はたくさんいらっしゃいますし、とても安住しているとは言えない状況です。

――第二部を撮るにあたって、第一部との違いを意識されましたか?

舩橋 前作では、これは原発避難民だけでなく、東京で電気を消費してきた我々にとっての問題でもあるという「当事者意識」が大きなテーマでした。第二部でも同じ視座は保っていますが、新たに湧き上がってきた、さまざまな形で原発避難民を引き裂く「分断」という問題にフォーカスしています。放射能によって逃げる人と逃げない人という分断が生まれ、放射線量に基づいて避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域という3つの区分が生まれています。これに応じて賠償額も変わってくるので、「通りの向かいに住んでいた○○さんは、うちの倍も賠償をもらっている」という心の中の分断が生まれる。そして、現在問題となっている「中間貯蔵施設」もまた分断を生み出します。双葉町の10分の1となる5平方キロメートルを中間貯蔵施設にしようと国が求めているのですが、この建設予定地に土地を持っている人は、国が土地を買い上げる予定です。双葉町の人の中には「双葉に戻れるかわからないから、いっそのこと土地を買い上げてほしい」と思っている人もいます。中間貯蔵施設の予定地だけが先に買い上げが始まり、補償をもらえる。町の中で、補償をもらえる人ともらえない人とで分かれてしまう。

――さまざまな政策が町民の分断という形で働いて、結果的に地域コミュニティのまとまりを壊していく。

舩橋 大飯原発再稼働を差し止める福井地裁の判決では「人格権」(個人の人格的生存に不可欠なものを保護する権利)という言葉が使われましたが、コミュニティを分断され、仮設住宅に放り込まれてしまうのは人格権の剥奪です。石原伸晃大臣が「金目の問題」という失言で批判されましたが、人格権を剥奪した結果、「金をやるからいいだろう」という話になっているんです。そもそもすべきことは、何年たって戻れるかわからないけど、新しい町を作ってみんなが一緒に住んでいた双葉の文化環境を移築することではないでしょうか。まさに、これを「金目の問題」として片付けようとしているんです。

 例えば、双葉町が歩んできた歴史であったり、何世代にもわたって続いてきた家が培ってきたものは、はたして金で買えるのか? 日本は文化水準が高い国だと思っていましたが、実はこんなに低かった。「お金で買えないもの」とよく言われますが、いざとなると全部お金の問題になってしまうんです。

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