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「これで全部、佐野のせいに……」五輪エンブレム問題が“展開例盗作”発覚で急展開したワケ

 舛添要一都知事は2日、Twitterで「新国立競技場と同様、責任の所在が不明確、情報公開が不十分という問題が背景にある」と批判したが、前出関係者は「言い換えれば、莫大な税金をかけて五輪招致したけれど、東京都の責任はゼロだっていうアピール」とする。

「ネット上では利権構造が次々に指摘されて組織委や審査委への責任追及にも広がっていた中で、とにかく佐野さんひとりを悪者にして終わらせたいという思惑が高まっていたからね。これは建築デザイナーにだけ説明させて肝心の箱モノ建設利権の中枢連中が逃げてしまった新国立競技場のときと、まったく同じ話だよ」(同)

 ちなみにこの関係者が試算した、エンブレム関連の損害賠償額は「もし損害を受けた全員が賠償請求するとなれば、10億円は超える」というが、「組織委のトップがあの森喜朗さんだから、森さんに牙をむくようなことはできないという企業が大多数。実際の請求はあったとしても、かなり控えめになるはず」とする。

「ウワサでは、あるデザイン界の大物が、佐野さんに『今回は泥をかぶってくれ。あとでこの埋め合わせは必ずする』と頭を下げたってのも聞いたけど、それがホントなら、余計なことしゃべるなよって釘刺しだよ。それぐらい、守らなきゃいけないことがあるんだろう」(同)

 ただ、各企業から旧エンブレム入り商品の制作依頼を受けていた下請け業者の中には、「もしこれで損害が出たら訴えを起こす」としているところもあり、盗作の張本人である佐野氏をはじめ、組織委と審査委などの面々は、しばらく戦々恐々とすることになりそうだ。
(文=ジャーナリスト・片岡亮)

最終更新:2015/09/04 11:17
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