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『ソレダケ/that’s it』DVD&Blu-rayリリース記念レビュー

染谷将太、綾野剛ら旬のキャストが火花を散らす! 何度もループする特殊ドラマ『ソレダケ/that’s it』

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 ゼロ年代以降、若者たちに熱く支持されている映画として、細田守監督の『時をかける少女』(06)、吉田大八監督の『桐島、部活やめるってよ』(12)、アシュトン・カッチャー主演の『バタフライ・エフェクト』(04)などが挙げられる。公開から時間が経っているが、今でもレンタルビデオ店でよくレンタル中になっている作品だ。作品がそれだけ魅力的なわけだが、これらの作品はどれも退屈な日常生活が何度もループする特殊なドラマであることでも共通している。主人公たちは繰り返される日常から何とか脱出しようと冒険を試みる。先行きが見通せず、閉塞感の強い現代社会で暮らす若者たちは、劇中で足掻き続ける主人公たちに強い共感を覚えずにはいられない。染谷将太主演のアクション快作『ソレダケ/that’s it』もまた、閉塞感漂う世界から脱け出すために主人公が命懸けの戦いを何度も挑む物語となっている。

 主人公の大黒(染谷将太)は眠りから何度も目覚める。現代なのか近未来なのかはっきりしない世界で、大黒は社会の底辺で死んだように生きている。大黒を幼い頃から虐待してきた父親によって、彼の戸籍はブラックマーケットに売られてしまった。住所不定で生活保護の申請をすることも死亡届を出すこともできない。まさにユーレイみたいな存在だった。ある日、大黒は裏社会の調達屋・恵比寿(渋川清彦)がコインロッカーに隠していたフロッピーディスクを盗み出すことに成功する。ディスクには大黒の父親と同じように、戸籍をわずかなお金で売り払った人々の戸籍情報がたんまりと入っていた。これはかなりの金額になる。ディスクを手に入れた大黒は、やはり戸籍を持たない風俗嬢の阿弥(水野絵梨奈)と知り合うが、その一方で怒り狂った恵比寿、ホームレス少女たちを風俗嬢へと仕立てる女衒の猪神(村上淳)らに追われるはめとなる。

 阿弥はディスクなんか処分して、2人でどこかへ逃げようと誘う。でも、それじゃあダメなんだ。ただ逃げるだけじゃ、ユーレイみたいな今の生活が違う場所で繰り返されるだけだ。恵比寿も猪神も支配下に置かれている裏社会の大ボスで、戸籍売買の元締めである千手(綾野剛)をぶっ潰さない限り、大黒はユーレイ的な立場から脱することができない。残酷なサディストである千手は、いつも大勢の部下たちに守られている。大黒に勝ち目はまるでない。それでも大黒は千手に歯向かい、絶体絶命のピンチに追い込まれる。だが、その度に大黒は死んだような日常からの覚醒を果たす。モノクロだった世界は、鮮やかに色づいていく。

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