日刊サイゾー トップ > 芸能 > ドラマ  > 月9『いつ恋』第2話レビュー
構成作家・相沢直の“スナオなドラマ考”

“見たくないもの”の中で、二人は――善意で世界を変える方法『いつ恋』第2話

 多くの人々にとって、善意、あるいは正しさは、目に入れたくないものだ。『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』では、なおかつ視聴者もそこに巻き込む。練の弁償代は、恋人である木穂子(高畑充希)が支払っていたという事実が明かされ、二人はお茶を飲み、練はこの店の勘定は自分が払うと宣言する。だが、財布の中は小銭ばかりだ。かつ、足りない。「すぐ下ろすんで、30円貸してください」と苦しそうに告げ、さらに木穂子の財布には万札しかない。この気まずさはどうだ。見ていて声を上げてしまうほどで、こんな景色は見たくない。見たくないものを見られるか、という問いかけが、ここで視聴者に対してもなされているのだった。

 そう、善意で世界を変えることは難しい。だが、不可能なことでもない。第2話のクライマックスは、練と音の再会の場面だ。街を歩く音が、犬の鳴き声を聞く。その犬は、練がいつもエサをやっていた近所の飼い犬だ。犬を思う、という、実生活にはなんの役にも立たない二人の善意が、共鳴し、二人を引き寄せる。善意を持って生きるというのは、特にこの時代、難しくてつらくて残酷だ。しかし、そこには希望がある。善意を持ち続けることでしか起きない奇跡が、確かにあるのだ。

 ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』は、第2話にして視聴率が10%を切ったことが話題になっている。確かに暗くて、地味で、見たいものではないかもしれない。だが、ここにはいまの日本のリアルが確かにある。視聴者の心意気こそが、いま問われているのかもしれない。
(文=相沢直)

●あいざわ・すなお
1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。
Twitterアカウントは@aizawaaa

最終更新:2016/02/03 16:50
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