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ラリー遠田の『R-1ぐらんぷり2016』評 王者・ハリウッドザコシショウの「破壊力と演出力」

2016r1.jpgR-1ぐらんぷり2016公式サイト

 2016年3月6日、ピン芸日本一を決める『R-1ぐらんぷり2016』の決勝戦が行われた。大会にエントリーした3,786人の頂点に立ったのは、ハリウッドザコシショウ。決勝では、誇張の強すぎるものまねを次々にたたみかけていく2本のネタを披露。会場に集う観客を爆笑と興奮の渦に巻き込んだ。

 ハリウッドザコシショウは数々の逸話に彩られた伝説的な芸人だ。多くの芸人や業界関係者が彼の芸に魅了され、ファンであることを公言している。芸に向き合う真摯な姿勢は後輩からも尊敬されている。荒削りで型破りなパフォーマンスを披露する芸人や一般人が次々に現れ、カルトな人気を誇っていた深夜番組『あらびき団』(TBS系)では、ハリウッドザコシショウは準レギュラーのような扱いでたびたび登場。番組内では「キングオブあらびき」の異名を取っていた。

 私は今年の『R-1ぐらんぷり』の予選会場で、何度かハリウッドザコシショウのネタを生で見ている。そのときに印象的だったのは、広い会場の中で彼のネタに対する反応が人によって大きく分かれていたということだ。私はたまたま後方の席に陣取っていたので、客席全体の反応を見渡すことができた。観客の多くは彼のネタを見て、声をあげ、手を叩き、涙を流さんばかりに笑っている。ただ、一方で、全く無反応の人も一定数存在していた。恐らく、分かる人にとっては死ぬほど面白いが、分からない人にとってはまったく意味不明なのだろう。

 笑いの好みというのは個人差が激しいので、他の芸人のネタでも多かれ少なかれそういうことはある。ただ、その違いが最もはっきり現れるのが、ハリウッドザコシショウのネタなのだ。実際、今回の『R-1』をテレビで見ていた人の中でも「これの何が面白いの?」という疑問を持った人もいるかもしれない。そういう人は決して特別ではなく、一定の割合で存在する。特に、ハリウッドザコシショウはずっと昔からそういうふうに思われがちな芸人であることは確かだ。

 ただ、今年の『R-1』に挑む彼は明らかに「わかるヤツにだけわかればいい」などとは思っていなかったように見える。それはネタの構成にも現れている。「誇張しすぎたものまね」という得意のフォーマットの中で、極力わかりやすく、間口を広くしようとしている工夫が随所に見受けられた。

 第一に、個々のネタの前振りが丁寧になっていた。例えば、ザキヤマ(アンタッチャブルの山崎弘也)のものまねをやるときにも、正しいものまねを見せた後でそれを誇張したバージョンを演じていた。元ネタが何であるのかわかりづらいものは、それをきちんと説明したりもしていた。

 第二に、最初のネタが終わったところで、次のフリップをめくる前に「酔っぱらってないですからね」と念押しをして、自分が受け手を置き去りにしないというスタンスを明確に示していた。


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