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スクープ連発の「文春」「新潮」がテレビ局に記事使用料要求の“強気”姿勢「取材に対価を」

 舛添要一都知事が公費の使い方で批判されていることに、大阪府知事でもあった橋下徹前大阪市長が公式メールマガジンで報道の弱さを指摘。「いま権力監視ができるのは文春、新潮ぐらいじゃないか」と言っている。その「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)はテレビ界に対しても強気で、誌面の流用に二次使用料を請求していることがわかった。

 情報番組のテレビプロデューサーによると「先ごろ文春は番組で誌面を使う場合、3万円の使用料請求を決めました。その後、後に続くようにして新潮も5万円の使用料を通達してきた」という。

「これまでは持ちつ持たれつという感じだったので、使用許可の確認連絡だけで使用料は発生していなかったんです。番組内で取り上げられることで雑誌の宣伝になればいい、ということだったんでしょう。こっちも、文春や新潮に番組のキャプチャー画面を使われても、何も申し入れはしていませんからね。ただ、3万円、5万円となると小さい金額ではないので、これからは使用も控えめになるとは思います。個人的な意見を言えば、報道番組として、すでに表沙汰になっている雑誌の一部をニュースとして伝えるのは、使用料が発生する話じゃない気もするんですけどね。全文を見せるわけじゃないですし」

 一方、雑誌側からすれば、テレビ番組がこれまでやってきた無償での誌面紹介に面白くない部分もあったようで、文春に記事を寄稿しているライターが言う。

「最近のテレビは後追いばかりになって、自分たちでスクープ取材をしなくなっているでしょ。でも、こっちはテレビなんかと比べ物にならないぐらい低い予算でも、必死に独自情報を追ってきた。それをテレビがネタにして番組を作っていて、こっちに恩恵がないというのはおかしいですよ。宣伝になるという話も、今どきのスクープはネットで十分に宣伝されてますから、テレビなんかで紹介されなくていい。ネタ自体の紹介はよしとしても、番組内で記事の要点をまんま紹介するなら、むしろ雑誌の売り上げを下げますよ」

 この話をほかの雑誌編集者にしたところ、「ウチはそこまで胸を張れない」と下を向いた。

「むしろ番組で紹介してくれるなら、お金を払いたいぐらい。こっちはいまや休刊になるかどうかの瀬戸際で、文春や新潮みたいなスクープをやりたくても体力がないですからね。たとえば『週刊文春』が報じた甘利明さん(前経済再生相)の口利き問題も、かなり近い線で情報を得ていたんですが、編集長からゴーサインが出なかったので断念、そのうちに文春に越されてしまったというぐらい」(同)

 このあたりは、出版各社の台所事情にも関わってくるのだろう。情報番組では、当日の朝刊紙を並べる紹介コーナーが王道だが、こちらはあるスポーツ紙記者によると「金銭のやりとりはない」という。

「もちろん宣伝になっているという利点はありますが、それ以上にテレビ側と近い距離を作れているのも大きいんですよ。特に芸能ニュースはテレビ抜きにやれないところもあって、対立するわけにはいかない。他紙が紹介を許しているところで、ウチだけ抜けるわけにもいかない」(同)

 紙媒体にはそれぞれの事情によりテレビ側との関係があるわけだが、文春と新潮の「対価をキッチリもらう」姿勢は、不況の止まらない出版界にあって貴重な態度と見ることもできそうだ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2017/05/31 17:23
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