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韓国・貧困社会のリアル 少年はなぜ、臓器密売の標的になったのか――

rikun.jpgMBCニュースより

 昨年末、韓国第2の都市・釜山(プサン)で、臓器密売を行っていたグループおよびその構成員25名が、警察に摘発されるという事件が起きた。密売組織は主に、借金苦など切迫した状況に置かれている人々を公衆トイレの貼り紙などで募り、臓器を買い上げようとしていた。

 まるで映画のような話だが、これは韓国社会で実際に起きた事件である。しかも、事件の全容解明が進むにつれ、さらなる事実が明らかになってきた。密売組織が標的としていたのは、自ら臓器を売りに来た人々だけではなかったのだ。韓国警察の調べによると、密売組織は10代の少年3人を拉致し、その臓器を摘出・売買しようとしていたという。しかも、その3人は、いずれも身寄りがない少年だった。

 韓国MBCのルポ番組では、そのうちのひとりであるキム君(仮名=18歳)の事情を紹介。その内容は、韓国社会の悲しい縮図としかいえないようなものだった。

 キム君は、ガソリンスタンド事業などを幅広く手がける父の元、裕福な家庭で育った。学校では成績も良く、また児童会長を務めるなど、絵に描いたような優等生だったという。

 だが、次第にキム君の人生は狂い始める。キム君が中学2年生の頃、事業が傾いたことを理由に父親が自殺。さらに、母親も体調を崩してしまう。キム君は母親の治療費を工面するため、高校には通わず、昼夜アルバイトに精を出す毎日を送るようになった。15歳当時、キム君は毎日16時間ほど働き続けたという。

「つらいと思うことはありませんでした。僕が働かなければ、母が死んでしまうので。治療費も、家賃も食費も、全部僕が捻出しなければなりませんでした」(キム君)

 ちょうど父親の3回忌を迎えた頃、キム君をさらなる悲劇が襲う。病床の母親が、父親の後を追うように自殺してしまったのだ。マンション6階からの投身自殺だった。キム君は生きる気力を喪失。その後、3度の自殺未遂を繰り返すが、孤児院や、みすぼらし小部屋を転々としながら、なんとか生き延びていた。

「頼るところはどこもありませんでした。以前は優しかった親戚も“お金が必要なら、人に頼らず努力すべきだ”と。とてもショックでした」(同)

 そんな行き場のない少年に目をつけたのが、臓器密売組織だった。しかも、彼に臓器売買の話を持ちかけたのは、キム君が親友と慕う、リ被告だった。

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