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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.424

恋も青春もすべて終わったときに値打ちがわかる。ウディ・アレン至高の境地『カフェ・ソサエティ』

恋も青春もすべて終わったときに値打ちがわかる。ウディ・アレン至高の境地『カフェ・ソサエティ』の画像1現代的な印象の強いクリステン・スチュワートだが、ウディ・アレンの手によって1930年代の美女へと変身してみせた。

 人が人を好きになるという気持ちは法律で縛ることはできないし、世間の常識というフェンスが遮っていれば逆にそのフェンスを乗り越えてみたくなる。好きになってしまったものは、もうどうしようもない。映画監督として50年以上(!)のキャリアを誇るウディ・アレンは、そんなアンモラルな恋愛模様をたびたび描いてきた。『マンハッタン』(79)ではダイアン・キートンとマリエル・ヘミングウェイ、『それでも恋するバルセロナ』(08)ではペネロペ・クルスとスカーレット・ヨハンソン……。タイプの異なる美女の狭間で、主人公はまるで永久機関のように反復運動を繰り返してきた。ウディ・アレンの分身役を同じユダヤ系であるジェシー・アイゼンバーグが務める『カフェ・ソサエティ』も2人の美女をめぐるトライアングル・ラブストーリーが奏でられる。

 ウディ・アレン監督の初期の傑作コメディ『泥棒野郎』(69)がその後『カメレオンマン』(83)へと進化していったように、今回の『カフェ・ソサエティ』は世界中で大ヒットを記録した『ミッドナイト・イン・パリ』(11)の変奏曲のような内容だ。『ミッドナイト・イン・パリ』では主人公のギル(オーウェン・ウィルソン)は婚約者のイネス(レイチェル・マクアダムス)との結婚を控えていたが、旅先のパリで酔っぱらい、1920年代のモンパルナスへとタイムスリップ。スコット・フィッツジェラルドやアーネスト・ヘミングウェイたちと酒を呑み交わしていたギルはピカソのモデル兼愛人のアドリアナ(マリオン・コティヤール)と出逢い、ひと目惚れしてしまう。現実世界の婚約者イネスか、憧れの時代である1920年代のアドリアナか、自分が選ぶべき相手はどちらかでギルは頭を抱えることになる。

 今回の『カフェ・ソサエティ』はタイムスリップものではないが、やはり主人公は2つの世界で心を引き裂かれることになる。時代設定は1930年代のハリウッドとニューヨークだ。ニューヨークはブロンクス生まれの青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は映画業界のエージェントをしている叔父フィル(スティーヴ・カレル)を頼って、ハリウッドへとやってきた。この時代のハリウッドは世界中から人気俳優や映画監督たちが集まったピッカピカの黄金時代。フィルは仕事に追われて相手をしてくれないが、代わりにボビーを連れて西海岸の名所を案内してくれたのはフィルの秘書ヴェロニカ、通称ヴォニー(クリステン・スチュワート)だった。利発でセンスのいいヴォニーにボビーはぞっこん。フィルのアシスタントとして働き始めたボビーは、ヴォニーへ果敢にアタックする。


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