日刊サイゾー トップ > その他  > 『サムライせんせい』作者・黒江S介氏インタビュー
【おたぽる】

現実的な悪どさや人間くささが魅力を放つ── 原点は『ズッコケ三人組』、映画化も話題の『サムライせんせい』黒江S介氏インタビュー

■ユアン・マクレガーを観たくて会社を辞めた

──まんが王国・土佐推進協議会での先生の記事などを拝見しましたが、高校卒業後にキャラクターグッズの販売をするお仕事に就かれて店長にまでなられたとか。とても優秀な方という印象を受けたのですが……。

黒江 いや、それもなんか成り行きというか……「今度、こんな雑貨屋を始めるから、あなた店長になってね~」みたいな感じで任されたんで。

──その頃から漠然と、マンガ家になろうとは考えていましたか?

黒江 絵を描くのは幼少の頃から好きでした。ですから、絵を描く仕事をしたいなとは思っていましたし、あわよくばマンガ家になれたらいなと、思っていました。

 でも、その時のマンガ家というのは、敷居が高い職業だとイメージしていました。まだ、WEB媒体が発達していない時代だったので、正式に投稿して、賞を獲ってマンガ家になるという段階を踏まないといけない……まあ、無理だろうなと、思っていました。

──その後、映画の影響でイギリスへ行きたくなり会社を辞めて渡英されたと聞いています。会社を辞めようとまで決意したのは、なんの映画なんですか?

黒江 ほんとにこれはミーハーな話なんです。俳優のユアン・マクレガーが大好きなんですが、ロンドンでミュージカルをやると聞いたんです。

 そこで、生の俳優に触れられる機会というのは、舞台くらいしかないだろうなと思って。じゃあ、行ってみようかなと決心しました。

──これは、その後の先生の人生の上で重要な体験だと思うのですが、イギリスで、見たもの聞いたものを教えてください。

黒江 最初はミュージカルを観るために1週間。その後、1週間ほど帰国して、今度は1カ月ほど滞在しました。イギリス人は細やかな気性の方が多く、日本人に近いんじゃあないかと、聞いていました。ところが、そんなことはありませんでした。

 1カ月滞在した時のホストファミリーが、私を置いて海外旅行に行っちゃうような人たちだったんです。帰国する日も、ポルトガルに出かけちゃってて「カギはどうしたらいいの?」と聞いたら「玄関のそこらへんに置いておいてよ」というのです。カルチャーショックを感じる一方で、日本人というのは逆に特殊なんだなと思いました。

──その後も、本格的に絵を学ぶために専門学校に通われたり、これと決めたら、とてもアクティブな性格なのかなと思いました。

黒江 さまざまなことを調べるのは大好きですね。アクティブというよりは、実際にはイギリスから帰って、また少し仕事をしてから専門学校に入りました。その時の先生に、こんなことを教えてもらったんです。

「積極的にならなければ、この世界ではやっていけないし、35歳までにやりたいと思った仕事でメシを食っていなければ、もう絶対に一生なれないから諦めろ」と。

 じゃあ、リミットは35歳まで……その時点で、あと10年くらいだなと漠然と思いました。なら、自然と急がなきゃと思って動いたんです。きっちりと設定されると焦りますよね。

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