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映画『干支天使チアラット』完成記念インタビュー

国際暗黒プロデューサー・康芳夫が語る“怪優業”と『家畜人ヤプー』を書いた覆面作家の正体!!

国際暗黒プロデューサー・康芳夫が語る怪優業と『家畜人ヤプー』を書いた覆面作家の正体!!の画像4戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の作者の正体は誰なのか? その秘密を知っているのは康芳夫だけである。

■『家畜人ヤプー』に魅了された奇才たち

──チアラット(希崎ジェシカ)たちと対立するシャノワール(姫乃たま)に、マンチカン(康芳夫)が「ヤプーは読まれましたか?」と尋ねるシーンがありますね。何度も噂が流れては消える『家畜人ヤプー』の映画化はどうなっているんでしょうか?

康 5年前に熊切監督が僕のところに来て、「どうしても映画化したいんです」と頼みにきてね。熊切監督は大阪芸術大学出身で、大学時代の教官が中島貞夫監督です。中島貞夫が『家畜人ヤプー』を映画化したいと言ってきた最初の監督でした。実際に僕のところに来たのは中島貞夫ではなく、天尾完次プロデューサーでしたが、面白い縁だなと思いました。ちなみに中島貞夫の次に名乗りでてきたのは中平康監督。彼は若くして亡くなったけど、彼が病気にならなかったら、映画は完成していたはずですよ。その後が『太陽を盗んだ男』(79)の長谷川和彦監督。彼も僕の大学の3つほど下の後輩。長谷川くんとうまくいかなかったのは予算の問題もあったけど、彼は勝手に動いて振り回すわけですよ。それでね、僕から言って降りてもらいました。アニメ化の話も幾つかありました。スタンリー・キューブリック監督のエージェントからも打診を受けていた時期もありましたが、キューブリックは『アイズ ワイド シャット』(99)を撮って亡くなってしまった。最近『ツイン・ピークス』がまた話題になっているデヴィッド・リンチ監督からも、映画化したいと言われていました。でも、デヴィッド・リンチが撮ると、僕のイメージとは別のものになってしまうなと思い、断りました。熊切くんはね、信頼できる監督です。彼が大学時代に撮ったデビュー作『鬼畜大宴会』(88)を観て、彼なら『ヤプー』の映画化を任せられると思ったんです。

──舌人形や肉便器がどのように実写化されるのか、今からドキドキします。

康 出版した当時(1970年)、僕は右翼に襲われたんです。『家畜人ヤプー』で描かれた未来世界では白人が最高位、黒人は奴隷、黄色人種はそれより下の家畜人となっているわけです。『家畜人ヤプー』を書いた作者は日本人なんだけれども、日本人に対する大変な侮蔑感と同時に白人への反感も持っている人物でした。日本でいちばんの神様であるアマテラスオオミカミですが、『家畜人ヤプー』ではアナテラスオオミカミとなっています。それで右翼が怒って、僕の事務所を襲撃してきました。「康が仕込んだんじゃないか」と噂されましたが、これは本当の話でNHKニュースにもなりました。まぁ、『家畜人ヤプー』の映画化については、近いうちに正式発表されるでしょう。そうそう、日本でいちばん有名なアニメ『君の名は。』(16)を撮った新海誠監督がいるでしょ。彼の奥さんは三坂知絵子という女優で、彼女は高取英の劇団「月蝕歌劇団」で『家畜人ヤプー』を舞台化したときに出演してくれたんです。過去には寺山修司、唐十郎も舞台化したがっていました。『家畜人ヤプー』には日本の文壇、文化人のほとんどの人が関わり、エピソードに事欠かない作品なんです。

■覆面作家にまつわる二重三重の秘密

──『家畜人ヤプー』の原作者である沼正三から、康さんは出版権や映像化権など全権を委任されたわけですが、康さんは覆面作家・沼正三の正体を知っているんですよね?

康 もともとは三島由紀夫が「面白い小説がある」と、SM雑誌「奇譚クラブ」に連載されていた『家畜人ヤプー』の切り抜きを僕のところに持ってきたことが始まりだったんです。三島由紀夫がプロデューサーでした。それで僕は大阪にいた「奇譚クラブ」のオーナーを訪ねて、彼は関西で有名な相場師だったんですが、あらゆる手段を使って僕は彼から『家畜人ヤプー』の原作者・沼正三の連絡先を聞き出したんです。最終的には沼さんに直接会うことができました。どういう人物かということは、今はまだ話せません。沼さんは8年前に亡くなりました。沼さんの本当の正体を知っているのは僕だけです。

──そこをもう少しお願いします。沼正三=新潮社の社員校閲者だった天野哲夫説、東京高等裁判所の判事だった倉田卓次説……など、いろんな説が流れました。

康 天野さんが沼正三の代理人だったことは事実です。面白い話をしましょう。沼さんが亡くなったときに、僕から共同通信の記者に情報を流したんです。その記者は『家畜人ヤプー』の熱心なファンだったので、彼に沼正三の死亡記事を書かせようと思ったわけです。ところがその記者の上司が「また康にハメられるぞ」と言い出し、なかなかOKしなかった。結局、記事は掲載されましたが、それは世にも奇妙な死亡記事でした。記者は共同通信社のスクープ賞をもらったそうです。


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