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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.455

エクソシストと現代人のメンヘルとの関係性は? ドキュメンタリー映画『悪魔祓い、聖なる儀式』

エクソシストから聖水を掛けられる参列者。祈りが始まると、「やめろ。こいつはもう俺のものだ」と叫び出した。

 いたいけな少女の顔が別人のように変わり、男の野太い声で家族や神父を汚い言葉で罵倒し始める。オカルト映画『エクソシスト』(73)を初めて観たときの衝撃が忘れられない。この映画が1949年に実際に起きた「メリーランド悪魔憑き事件」を題材にしていると知り、さらに戦慄を覚えた。そんな『エクソシスト』との遭遇体験がトラウマになっている人にとって、実に興味深いドキュメンタリー映画が現在公開中だ。エクソシストを密着取材し、悪魔祓いの儀式の様子をカメラに収めた『悪魔祓い、聖なる儀式』がそれだ。

 勘違いされることがあるが、エクソシストとは悪魔憑きのことではなく、ヴァチカンが公認しているカトリック系の正式な悪魔祓い師のこと。1200年もの歴史を持つエクソシストだが、映画『エミリー・ローズ』(05)の題材となった「アンネリーゼ・ミシェル事件(悪魔祓いを受けていた女子大生が衰弱死し、家族と司祭が過失致死で起訴された)」が起きた1976年以降は秘密裡に儀式を執り行なうエクソシストの存在は問題視され、欧州での人気は下火となっていた。ところが近年になって教会に悪魔祓いを頼む人々が急増しているという。イタリアの女性監督フェデリカ・ディ・ジャコモは、経験豊かな悪魔祓い師として有名なシチリア島のカタルド神父たちのもとに通い、悪魔祓いの儀式の様子と悪魔祓いを求める人々の素顔に迫っていく。

 初めて公開される悪魔祓いの儀式の様子に、まず目がくぎ付けとなる。本来は取材不可能な秘儀なのだが、その閉鎖性ゆえに映画『エミリー・ローズ』のような不幸な事件が起きてしまった。進歩的な考えの持ち主であるカタルド神父は儀式中にカメラが回ることを許した。朝早くから教会の前には悪魔祓いを求める人々が行列をなしている。悪魔祓いは基本的に個人に対して行うものだが、需要に供給が追いつかないため、この日は集団での儀式が行なわれた。紫色のストーラを首に掛けた神父が祈り始めると、それまで静かだった参列者の中からうめき声が漏れ始め、パンクファッションの若い男性がイスから転げ落ちて床を這いずり回る。「気分が悪い」と、ふらつきながら途中で退席する女性もいる。事前に神父が「誰かに兆候が現われても、祈り続けるように」と説明していたこともあり、参列者たちは騒然となりながらも儀式はそのまま続く。

 

この人が、カタルド神父。教会を訪ねることができない人のために携帯電話での悪魔祓いも行なっている。

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