日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「2017年スポーツメディア考」
熱血!スポーツ野郎

スポーツ熱の高まりと、スポーツ熱のある人々と──「2017年スポーツメディア考」

 

■好感が持てた、テレビ東京のスポーツ熱

 

「熱量」という点でもうひとつ、今年のトピックスとして押さえておきたいのが、テレビ東京におけるスポーツ熱の高まりだ。

 テレビ東京といえば、日本にサッカー文化を根づかせた往年の名番組『三菱ダイヤモンドサッカー』や、箱根駅伝を日本テレビよりも前に中継していた──などなど、かつてはスポーツをキラーコンテンツとしていた時代もあった放送局。あの「ドーハの悲劇」も中継したのはテレビ東京だ。

 だが、サッカーや駅伝の人気が高まった結果、皮肉にもそれらの中継権は他のキー局へ。ここ最近、特に若い世代において、テレ東=スポーツ、というイメージはなかったはず。

 そんなテレビ東京が今年5月末、「テレ東スポーツ祭」と題して『世界卓球2017ドイツ』と『全仏オープンテニス2017』を連日連夜放送。特に卓球は日本人選手の活躍もあって大きな盛り上がりを見せた。05年から「世界卓球」を地上波独占放送してきたテレビ東京の執念が実ったといえる。

 このほかにも、夜帯のスポーツ番組『SPORTSウォッチャー』では、ビビる大木を又吉直樹と並ぶMCに据えてテコ入れを図ったり、さまぁ~ずがさまざまなスポーツに体当たりで挑戦するスポーツバラエティ『さまスポ』が今春から始まったりと、今年のテレビ東京がスポーツに対して、例年以上に予算と時間と人をかけていたのは明白。『SPORTSウォッチャー』では、日本テレビ顔負けの巨人・阿部慎之助への密着取材など、気になる企画も多かった。

 もともと、バラエティでは他局以上に実験的な企画を仕掛けてくるテレビ東京。今後、スポーツものでも、他の局が思いつかないような企画が飛び出してくるかもしれない。

 

■DAZN・楽天の本格参入元年。スポーツメディアは、どう変わる!?

 

 スポーツメディア史、という意味で、17年のトピックスとして外せないことがもうひとつ。ライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」の本格参入だ。

 17年から10年間、2,100億円という巨額の契約でJリーグ全試合の放映権を獲得したDAZN。これまでJリーグの有料放送を担ってきたスカパー!の会員数が落ち込んだ、というニュース以上に、Jリーグ自体が1シーズン制に戻り、賞金額が大幅に増えるなど、競技のあり方そのものにも大きな影響を及ぼしている。

 DAZNはJリーグ以外にも、どんどん中継コンテンツを増やしているが、ほかにも、楽天がNBA視聴サービス『Rakuten NBA Special』を、この秋からスタート。これまでNHKでのNBA中継を楽しみにしていたファンからは困惑の声も聞こえている。

 考えてみれば、上述した『有田と週刊プロレスと』もAmazonプライム限定コンテンツ。17年は、「スポーツの視聴方法や楽しみ方」そのものが大きく変わった年、として後年、大きな意味を持つことになりそうだ。

 その一方で、これまた上述したテレビ東京をはじめ、既存のテレビ局にとっても、“2020年”を控えている以上、スポーツはますますキラーコンテンツだ。だからこそ、従来的な、ひな壇芸人を並べてのアスリートいじり、といった手垢のついた企画よりも、熱量あふれた企画や番組作りが今後はますます求められるはず。18年、新規サービスと既存メディアの競争がより顕著になることで、純粋に面白いスポーツ系番組が増えることを期待したい。
(文=オグマナオト)

最終更新:2017/12/31 14:00
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed