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『コンフィデンスマンJP』視聴率回復の秘訣は古沢良太の“ドM”体質か!? 制約があるほど光る手腕がイイ!

『コンフィデンスマンJP』公式ホームページより

 4月23日放送の『コンフィデンスマンJP』第3話の視聴率は、9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)だった。

 手放しで喜べるほどの数字ではないが、1話9.4%→2話7.7%→3話9.1%と、3話目にして下げ止まり。1話と同じ9%台に戻せた事は大きい。

 本記事では、第3話の視聴率が上がった理由を分析。そして、近年のヒット作と比較しながら、コンフィデンスマンJPの今後の展開と全話の視聴率を占う。

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 その前に、第3話「美術商編」の内容の振り返りから。

 ボクちゃん(東出昌大)は、美大生の須藤ユキ(馬場ふみか)が自殺未遂した事を知る。その理由は、美術評論家の城ケ崎善三(石黒賢) にヤリ逃げされたこと。「画家として将来性がある」と、城ケ崎は自分の権力をチラつかせて近づいたのに、「才能がない」とユキを切り捨てた。

 ダー子(長澤まさみ)とリチャード(小日向文世)の協力を得て、ボクちゃんは城ケ崎にニセモノの絵画を高額で売りつけようとする。

■制約があるほど光る、古沢良太の手腕

 美大生・ユキのリストカットから始まる第3話。金や権力で女を釣るオッサンと傷つけられた若い女性。ベタとも言えるが、我々の身近にも起こり得る加害者と被害者の構図は共感を呼ぶ。ボクちゃんのユキを助けたいという気持ちに納得できるし、城ケ崎が失墜するのも痛快。そしてすべてを失った城ケ崎が子どもの下手な絵に励まされる姿に感動できる。善と悪を最初から明確にする型にハマった構成だからこそ、善悪で割り切れない人間の機微が強く打ち出されていた。(余談だが、助けたユキにも裏があった)

 これは私見ではあるが、古沢脚本のドラマは型にハマった展開である時ほど、キャラクターや台詞の個性が際立って面白い。

 古沢良太自身、テレビや雑誌のインタビューで、規制の多い方が書けると語っている。クリエイターとして“ドM”とも受け取られそうな発言は、規制ばかりのテレビ業界においては救世主ともいえる一言だ。こと連続テレビドラマは、コンプライアンス的な制約が多く、視聴率・製作費・撮影日数などの数字との闘いを強いられる。お金と時間をかけず、大勢の人が見易い物を作らなければならない。

 3話は、1話と2話で大規模なロケが敢行されたせいか、オークション会場や美術商の事務所など、少ないステージで物語が展開されていた。その分1シーンにかけられる時間が長く、古沢良太得意の会話劇が楽しむことができた。

 特に目を引いたのは、ダー子たちが贋作を手掛ける画師・判友則(でんでん)にピカソの偽物の制作を頼みに行くシーン。判友則がどれだけ凄いかを1シーンで煽るだけ煽り、「ピカソよりうまくならねえように気を付けねえと」と、痺れる一言で締めくくられる。だが次のシーン、一瞬で城ケ崎に贋作だと見抜かれ、判友則は逮捕される。

 呆気ないオチで笑えるのは、壮大なフリの賜物。絵画が数点置かれただけの寂れた部屋での判友則への依頼の盛り上がりは、古沢良太の会話劇の手腕なくして成立しない。

 また、三橋利行氏の演出も、映像以上に会話劇を引き立たせた印象だ。予算や時間の制約があっても面白い本を作る控えめな天才と、彼の会話劇を目立たせた演出家。自己犠牲の精神が、視聴率の回復を呼び込んだのかもしれない。

■コンフィデンスマンJPは視聴率2ケタを達成できるのか?

 冒頭でも触れた視聴率の下げ止まり。これは早ければ早い方がいい。

 ここ半年間で、全話の視聴率が初回を上回ったゴールデン帯ドラマは3タイトルのみ(テレビ朝日水曜21時、木曜20時枠は除く)。『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』『陸王』(ともにTBS系)『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ)。各作品、下げ止まりが早かった。

『99.9』(1話15.1%、2話18.0、全話17.4%)

『陸王』(1話14.7%、2話14.0%、3話15.0%、全話16.0%)

『奥様は、取り扱い注意』(1話11.4%、2話11.3%、3話12.4%、全話12.7%)

『陸王』『奥様は~』は3話目で下げ止まり。『99.9』に至っては2話目で3%近くも上昇させた。『コンフィデンスマンJP』は3話で1話を超える視聴率を出していないが、『陸王』『奥様は~』と近いV字での推移をしている。『99.9』のように初回よりも2%以上も高い全話の視聴率を叩き出せる見込みは低いが、1%増は見込める。そうなれば、全話平均視聴率は二桁となる。

 ただし、『コンフィデンスマンJP』には、最終話までを気にならせる“引っぱり”がない。『奥様は~』であれば、綾瀬はるか演じる主人公が何者であるかの謎があった。『陸王』には最新シューズを完成させるというゴールがあった。引っ張り無しでも楽しめるのが『コンフィデンスマンJP』のすごさではあるが、視聴率だけを見れば不利な状況下にある。

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