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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『宮本』池松壮亮の台詞にキュン死!?

「男にしてください」の台詞にキュン死しちゃう!? 中小企業の弱さと醍醐味『宮本から君へ』第10話

テレビ東京系『宮本から君へ』番組サイトより

 クライマックスに向け、新米サラリーマンの大暴走が続く池松壮亮主演ドラマ『宮本から君へ』(テレビ東京系)。情熱だけで人間は、果たしてどこまで突っ走ることができるのでしょうか。宮本の若さに任せた暴走を苦々しく感じている大人たちが、次々とその前に立ちはだかることになります。もう後には戻れない“爆弾小僧”宮本が、真正面から障害へとぶつかっていく第10話を振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 弱小文具メーカーに勤める宮本浩(池松壮亮)は仕事に興味が持てず、付き合い始めた大手自動車メーカーの受付嬢・美沙子(華村あすか)とはエッチした直後に振られ、人生のドン底にいました。さらには大手文具メーカーに勤めるイケメン営業マンの益戸(浅香航大)と営業先でケンカ騒ぎを起こし、反省の意味を込めて頭を丸めたところです。「社会人になって、あまりいいことがない」とこぼしていた宮本ですが、大手製薬会社に納品するクリアファイルの件だけは、まだ諦め切れずにいます。大手製薬会社が正式決定を下すまで、残り1週間。ライバル益戸の勝利が確定している中、奇跡の逆転を目指して宮本は今回も鼻息が荒いです。

 宮本の情熱に感染してしまった先輩の神保(松山ケンイチ)、小田課長(星田英利)の協力を得て、宮本は極秘に新しいサンプルの発注を進めていました。1週間以内にサンプルを完成させなくてはいけないので、綱渡り状態です。ところが、宮本がクリアファイル納品の件をまだ諦めていないことが、仲介業務を請け負っている「ワカムラ文具」の島貫部長(酒井敏也)の耳に入ります。宮本が勝手に新しいサンプルを提出することは、大手製薬会社との間に入っている島貫部長や文具問屋の安達(高橋和也)のメンツを潰すことになります。激怒した島貫は、宮本の上司である岡崎部長(古舘寛治)を電話で叱責。坊主頭の宮本のことをヤクザ呼ばわりするのでした。

 元はと言えば、タヌキ親父の島貫がクリアファイルの入札価格を事前に益戸に漏らしたために端を発した問題ですが、既得権益の上にあぐらをかく島貫は自分の非を認めるわけがありません。さまざまな利害関係で成り立つビジネスの世界には、ろくに仕事をしていないのに威張っている島貫のような理不尽な輩は大勢います。会社に戻ってきた宮本は、さっそく岡崎部長から会議室に呼び出され、大目玉を喰らうはめに。でも、島貫の悪行にはこれまでも神保や小田課長も散々手を焼いてきたのでしょう。2人して、宮本を庇うのでした。中でもほっしゃん演じる小田課長のこの言葉が泣かせます。

小田「上に立つ人間が、部下の可能性の間口を狭めてどないするんすか。取り引き停止のひとつやふたつ、どないでも穴埋めできますから」

 会社勤めを経験している人間なら、仕事ができる先輩に一度は言われてみたい台詞ですね。会社って、いくら大企業に就職できても、配属先の先輩や上司がサイアクな場合はどうにもなりません。むしろ地獄です。その点、宮本は本当に上司や先輩に恵まれています。思わず目頭が熱くなった宮本は、「……続けさせてください」と岡崎部長に声を震わせながらお願いするのが精一杯でした。実はこの台詞、新井英樹の原作コミックにはないひと言です。架空の人物であるはずの宮本浩が憑依した池松壮亮の口が、自然に動いたものではないでしょうか。

 会議室での熱いやりとりを、同僚の田島(柄本時生)は耳をそばだてて聴いています。採算の目処が立たない仕事に夢中になっている宮本は大バカ者ですが、そんな大バカ者を小田課長と先輩の神保は懸命にフォローしています。田島は羨ましくて仕方ありません。つまらないはずの仕事を面白い状況に転がし、周囲をどんどん巻き込んでいく宮本は、とても特殊な才能の持ち主のようです。

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