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追悼・さくらももこさん──『ちびまる子ちゃん』が“復活・再ブレーク”させた往年のスターたち

『ちびまる子ちゃん』公式サイトより

『ちびまる子ちゃん』の作者として知られる漫画家のさくらももこさんが8月15日に乳がんで亡くなっていたことがわかった。53歳だった。さくらさんは10年あまりにわたって闘病生活を続けてきたという。ネット上では「西城秀樹さんが5月に亡くなった時には、さくらさんも闘病中だったのか」と、故人に思いをめぐらす言葉も聞かれる。

『ちびまる子ちゃん』には、さくらさんが小学生時代を過ごした1970年代の社会風俗が多く登場する。西城秀樹、山口百恵といった大スターはもちろん、この番組で知名度が復活し再ブレークにつながった人たちもいる。

「よく知られているのは山本リンダと、にしきのあきらですね。山本は『リンダ』という変わった名前と、派手な格好が子供たちの興味を引き再ブレークにつながりました。にしきのあきらは、まるちゃんのお姉ちゃんが最初は西城秀樹ファンだったものの、次ににしきのファンに乗り換える設定で注目を集めました。このエピソードで『あの人は今』状態だったにしきのの知名度が向上。その後『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ系)に出演し『スターにしきの』キャラでブレークするなど、再浮上を果たしました」(芸能ライター)

 まさに、多くの芸能人をサルベージしてきたといえるだろう。ほかにも『ちびまる子ちゃん』の登場で注目を浴びたものがある。

「オカルトですね。70年代は一種のオカルトブームだったといえます。五島勉の『ノストラダムスの大予言』(祥伝社)がベストセラーとなり、ユリ・ゲラーによる『スプーン曲げ』もブームになりました。作中でもまるちゃんが、1999年の人類滅亡に怯え、スプーン曲げに挑戦するシーンがあります。一方で、90年代も宜保愛子、織田無道をはじめ霊能者がテレビに積極的に出演したほか、おなじみのUFO、心霊写真、催眠術の番組も多く作られており、もうひとつのオカルトブームがあったといえるでしょう。『ちびまる子ちゃん』効果かはわかりませんが、ユリ・ゲラーの再来日も実現しています」(同)

 さくらさんが幼少期を過ごした70年代と、『ちびまる子ちゃん』の放送が始まった90年代は似通った空気を持っていたといえる。子供たちにとっては新しく、親世代の視聴者にとっては懐かしい。一粒で二度おいしい名作が『ちびまる子ちゃん』であったといえるだろう。
(文=平田宏利)

最終更新:2018/09/01 06:00
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