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いろいろとムリがある日本版『SUITS/スーツ』 頼みの綱は織田裕二&鈴木保奈美の『東京ラブストーリー』幻想か?

■アメリカのドラマを日本でやってもムリが……

 もちろん、ストーリー構成を忠実に再現しようとしても、日本とアメリカじゃ法律も常識も、社会のノリも、そしてドラマの予算もぜーんぜん違うので、ローカライズするにあたって、いろいろとムチャな部分が目についた。

 そもそも、弁護士資格を持っていない大貴を、弁護士資格が必要なアソシエイトとして働かせる方法自体がかなりムリヤリだった。

 アメリカでは戸籍制度や弁護士資格のシステムが日本と比べてゆるいらしく、「ハーバード大学のロースクール出身者しか雇わない」という事務所の方針をかいくぐるために、学歴を詐称するだけでオッケーだったのだが、日本じゃそうはいかない。

 ということで、日本でこのストーリーを再現するために苦心したのだとは思うが……。

 今回の依頼者であるAI企業社長のダイス・スズキ(清原翔)の本名が「鈴木大輔」で、たまたま大貴とは一字違い。ダイスはたまたま弁護士資格を持っていて、たまたま現在は弁護士活動はしておらず、なおかつ、たまたま関西弁護士会に所属したままになっていたのだ。

 そこで大貴は「鈴木大輔」と改名することによって、遊んでいるダイスの弁護士資格をゲットすることに。

 く……苦しい。そんなに簡単に改名なんてできるとは思えないし、ダイスからしたら、こんな違法行為に協力するメリットは皆無だよ。

 さらに、ダイス・スズキをパワハラで告発していた相手方弁護士を黙らせた方法も、「大貴がたまたま相手方弁護士の息子の替え玉受験を請け負っていたから」という「たまたま」っぷりだった。

 甲斐は一応「負けた記憶がない」敏腕弁護士という設定のハズだが、これじゃあ単に「すげーラッキーな人」としか思えない。

 

■すんごく気になる「江森ソフトキャラメル」

 初回ということで、アメリカ版ドラマと設定をすり合わせたり、人物紹介をする必要もあり、時間的にムリめな展開も多かったわけだが、気になるのは今後だ。

 このまま原作を忠実に日本キャストで再現していくのだろうか?

 正直、ストーリーを忠実になぞるんだったら原作を見た方がいいわけで、『東京ラブストーリー』幻想に取り憑かれているアラフォー以外の人たちは、裕二のやたらと濃い演技をわざわざ見る必要はないだろう。

 裕二&保奈美の魅力をグッと引き出すような、日本版独自の展開に突き進んで欲しいところだが……。

 第1話で気になったのが、ものすごく意味ありげに甲斐がキャラメルを見つめるシーン。

 その商品名は「江森ソフトキャラメル」。「江崎グリコ」と「森永」を合わせた名前であろうことは明白だが、それにしても、なんであそこまでアンニュイな表情でキャラメルを見つめていたのだろうか?

 日本版独自展開として、「グリコ・森永事件」モチーフの事件が絡んできたら、アラフォー世代のハートは、さらに燃え上がることだろう。

(文・イラスト=北村ヂン)

最終更新:2018/10/15 19:30
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