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ビビる大木、“主役”をあきらめてたどり着いた「すごくシビアで、ちょっと切ない」人生訓

■売れたのに、6畳一間での生活を貫いた

 コンビ解散後の心境について、大木は2月3日放送『俺の持論』(テレビ朝日)で、より詳しく語っている。

 同番組で彼が主張したのは、「嫉妬と人気は同時にあるもの」という持論だ。人気が出た芸能人には当然、嫉妬もついてくる。「人気」と「嫉妬」は表裏一体。両者はバランスが大事だ。「嫉妬」の重さを「人気」が支え続けられなければ、芸能人は沈没する。すなわち、芸能界から消えることになる。

 大木自身はどうなのか。バランスを保てているのか? 彼は「人気がないけど、嫉妬もないので沈まない!」と豪語した。いくらなんでも卑下しすぎな気もするが、大木は「ファンからもらったファンレターの数は10年間で0通」という明確なデータを率先して発表する。こうなると、ぐうの音も出ない。

「人気商売のはずのテレビの中で、僕は人気もない!」

 かつては「ゴールデンの冠番組を持ちたい」と燃えていた大木だが、ピン転向後は「人気のない人間は勘違いしちゃいかん」と、考えを改めるようになったという。例えば、『PON!』時代は、電車で日テレに通った。

「満員電車も俺みたいな人間は乗らなきゃいかん、当然。通勤ラッシュです。出勤するんですよ!」

 芸人の世界には「無理して家賃が高い家に住むと仕事が入ってくる」というジンクスがある。でも、大木はどこ吹く風。完全に真反対の生き方を選んでいる。

「僕、37歳くらいまでは6畳一間に住んでたんですよ。お給料は、ちゃんともらってますよ。でも、『ビビる大木くらいは、まだ6畳だろうな』っていう自分の判断があったわけです。だって、人気ないんだから! 人気ない奴が急に『家賃30万円です』って言ったところで『なんでお前がそうなの?』って、自分でも冷静にそう思ったの」

■「『自分が主役じゃない』って気がついた」

「当然、昔は俺だって『トップ立ちたい』とか『ゴールデンタイムで冠番組を持ちたい』とか、そういう野望とか希望があったわけですよ」

 しかし、ピンになってから、大木は異なる位置を目指した。

「自分がそういう主役じゃないんだって気づいた。じゃあ、主役じゃない人間がテレビを盛り上げるのは、どうしたらいいんだ? 主役が出てるテレビがあったら、それを支えるようなポジションがあるわけだと」

「現場の雰囲気作りをよくするとか、ムードメーカー的な存在は必要なわけでね。そういう役の立ち方、貢献の仕方ってあるんじゃないかって考えて」

 回り回って、「自分が主役じゃなくても、周りの人のためになる仕事をしよう」というモチベーションを持つようになった大木。

「だって世の中、主役って何パーセントでしょ? ヘタしたら、95パーセントくらいは主役じゃない人生があるわけですよね」

 実は大木、2017年のテレビ出演は402本に達している。完全なる成功者だ。本人は謙遜するが、特に同業者から認められる実力者でもある。大木の成功は、実力者が自らバイプレーヤーに方向転換した結果だ。「成功者は自分に厳しい」という事実の証明にもなっている。

 ビビる大木の考える人生訓は、シビアであり、真理であり、ちょっと切なくもある。

(文=寺西ジャジューカ)

最終更新:2018/11/05 14:00
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