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【同人活動レポート】

同人誌の「続編」は売れるのか? 実際に頒布してみた!

映画でも「続編のほうがヒット」は稀だが、そんな例外のひとつ『ターミネーター2』

 いっとき、昭和の漫画史に残るであろう名作漫画の続編がやたら発表される悪夢のような時期があった。惜しまれつつ幕が下りるから美しいのであり、続編など蛇足でしかない。私はどんなに好きな漫画であっても続編は読みたくないし、最終巻に掲載されていて読んでしまったものもあるが、やはり「読むんじゃなかった」と本編まで汚されたようで悔しかった。続編なんて地雷だ―――しかしこの鋼の意志は、自分が「書く側」になるとどうなるのか。当記事では「同人誌と続編」についてレポートしたい。

■続編が望まれるのは「ラブストーリー(セックスなし)」

 二次創作の同人誌(女性向け)のジャンルは、概ね以下の3つに大別される。

(1)ラブストーリー(セックスなし)

(2)ラブストーリー(セックスあり)

(3)それ以外(ギャグ、ほのぼのなど)

(2)ラブストーリー(セックスあり)において、ラブとセックスの比率は実にさまざまだ。セックス部分は朝チュン程度で、R-18指定すらしなくていいライトなものから、男性向けエロ同人誌のごとく汁気たっぷり、もはやこれは「スポーツもの」ではという同人誌もある。なお、そういったR-18熱血スポーツモノの同人誌の作者が感想ください、とフォームを用意していると、セクハラにならない感想を送るにはどうしたらいいのか悩ましい。

 さて、上の(1)~(3)のうち、個人的な見解だが続編が全裸待機されがちなのは「(1)ラブストーリー(セックスなし)」な気がする。続編を願う気持ちは「頼むからおまえらパツイチ決めてくれよ!」なのだ。

 

■禁断の続編を書かせる原動力は自萌えと感想

 さて、私は読む側においては「続編=蛇足」の続編地雷派だが、私は二次創作の同人誌において、一つの作品の続編を3回書いたことがある。ポリシーがここまでぶれると鮮やかですらあるが、なぜこんなことになったのかというと、これも同人誌を書いている人なら絶対ご存じだろう「自萌え(自分の書いた作品が大好き)」と「感想」による。

 3回も続編を書いた流れはこのようになる。

<1>1本目を書く。ジャンルとしては「(1)ラブストーリー(セックスなし)」。キャラAのBへの片思いで終わる。

<2>当初は続編を書くつもりはなかったものの、書いてみたら「自萌え(自分的に大ヒット)」してしまい、かつ、「続きをぜひ」と読んだ方から感想をいただく。

<3>よーし、パパ頑張っちゃうぞ~と2本目を書く。ジャンルは「(2)ラブストーリー(セックスあり)」。

<4>2本目を書いても自萌えが衰える気配がなく、さらに「続きは……?」と声をまたいただき、よーし、パパまたまた頑張っちゃうぞ~、と3本目を書く。

 

■続編をやりたいなら必要な、“売れっ子キャバ嬢”の心意気

 以前、pixivの小説人気ランカーの特徴を調べたことがある(参照記事:『ランカーはマメに大作を投稿していた!ウサ耳がギンギンに立つpixiv必勝法』)。

 そこでは、連載は単発の話より人気が出にくい傾向がはっきり出ていた。アマチュアが無料で掲載している話が本当に終わる保証などないため、一話できっちり終わりまで楽しめる話が支持されるのは合点がいく。

 しかし私の場合、上記で書いた3本の続編は紙の同人誌2冊にまとめているのだが、それぞれ30部発行し、現時点でどちらも25部頒布している。母数が超少ないから参考にならないのではとは言いっこなしだ。

 なお私の場合、上述の通りハナから続編を前提にしたものでなく、もともと単発で終わらせるつもりだったものが続いた形になる。そのくらいの「ゆる続編」の方が、どこでやめるのも読み手の自由になり、読み手には優しいといえるだろう。

 まとめると、続編を書く場合には「続編とはいえ、それぞれの話が単発っぽくそれなりに終わる」、「売れっ子キャバ嬢のようにセックスをちらつかせ、かといって簡単にヤラせずひっぱる」テクがあるとより「読み手へのおもてなし度が高い」といえるだろう。

 さて、続編を3度も書いたため、続編を書かざるを得ない心の動きも理解できた。だからこれからは人様の続編を楽しめるようになる、といえばまったくそんなことはなく、揺るがずに続編は地雷だ。

 実に勝手だが、このいくらでも勝手にできることが同人活動の醍醐味だと思っている。私は「同人のペンネームでの発信用アカウント」は所持しているものの、発信はほぼしていない。「酔っぱらった状態でSNSを更新すること」がアイスケースレベルでヤバいことかは衆知の通りだが、私にとって、同人アカウントで心のままにつぶやくのは「酔っぱらってる状態でつぶやく」並みにヤバいと自分の理性が告げている。これは断じてオタトークをするのが恥ずかしいからではない。今回の続編のように、自分のぶれまくるポリシーを見るのが恥ずかしいのだ。

 言動と行動が伴っていないのはダサい。しかし完全にこれが伴っている人間などもはや聖人だ。よって正解は「余計なことを言わずに、だが心のままに行動する」だろう。今後もこれを肝に同人活動を続けていきたい。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

 

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

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最終更新:2019/01/12 18:00
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