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【wezzy】

叶姉妹の「謎」はすでに明かされていた セレブライフの入り口と半生

 叶姉妹が、3月27日更新のブログで、収入に関して「約30年以上前から株や為替、投資などをしております」と明かした。 

 ブログでは叶姉妹の写真を無断使用したTwitterの広告画像をUPし、「詐欺行為ですのでご注意ください」と警告。その広告は、<叶姉妹はdocomoの権利収入で月6,000万円もの収入があるのを知っていますか?>というものだ。すでに弁護士を通じて対応済みだそうだが、「ラインなどを使い拡散しているらしいですので、念のためにお知らせさせていただきました」と注意を呼びかけている。

 “叶姉妹はdocomoの権利収入で月6,000万円もの収入がある”というのはネットの噂だ。ブログでは続けて、収入に関する誤解をとく文章を綴っている。

<『念のために』私達の愛する大切な皆さんのピュアな心をふみにじるような詐欺的行為に巻き込まれない為にもちょっとだけお話ししておきますね。日常的なツイートの中に“叶姉妹の収入源は…謎”などと、よくお見かけいたしますが、私達は、芸能のお仕事以外にも約30年以上前から株や為替、投資などをしておりますよ。バブル経済の時代にはものの価値が今とは何倍も違いました。そしてバブル経済が崩壊した時ですら世界的な動きを見ながら緻密な先々の見通しと直感でほぼ損をしたことがありませんよ>

 確かに、叶姉妹がなぜあのような高価なジュエリーやドレスを身につけ、セレブライフを送ることができるのか「疑問だ」という声は、ずっと前からあった。

 しかしそのことについて知りたければ、叶姉妹の言葉を追いかければいい。2013年、messyにて公開した「叶姉妹はなぜ、セレブライフを送ることができるのか?」という記事をここに再掲する。

叶姉妹はなぜ、セレブライフを送ることができるのか?
 1990年代後半から「芸能人」としてメディアに登場し、ゴージャスなセレブキャラでお馴染みになった叶姉妹。姉の恭子さん、妹の美香さん(そして次女の晴栄さん、というのもいた)は、年齢不詳、仕事も不詳(バラエティ番組やイベント出演といった芸能仕事だけでセレブライフを維持できるわけがない、と見られている)、日本人離れしたスタイルと宝くじが当選しても手が届かないほどの高価な宝石の数々……とにかく「謎」の姉妹だ。

 ゆえに、「石油王の愛人」「高級売春婦として稼いでいる」などとウワサされ、顔も体も人工的だと散々叩かれてきたが、最近ではもはや「それをツッコむのは野暮でしょ」という空気が出来上がりつつある。芸能人なんて、多かれ少なかれ庶民的ではない生活をしているし、テレビで見せる顔は虚像だ。しかし、いわく

・本当にセレブならば、バラエティ番組に出演して微々たるギャラを稼ぐ必要などないはず
・本当にセレブならば、セクシー写真集を出版する必要などないはず
・本当にセレブならば、「歌がうまい王座決定戦」に出場する必要などないはず
・本当にセレブならば、パチンコ屋のイベントに出演して小金を稼ぐ必要などないはず

  「アンチ叶姉妹」は、こういった批判を繰り返し、彼女たちが公開している豪華な衣装や宝飾品はレンタルだとか、はべらせているメンズたちは経費で雇っているだけだと推測している。しかし仮に彼女たちが仕事用のキャラクターだという理由のみで、あそこまで徹底して自由奔放なセレブキャラを演じているとしたら、よほど賢く理性的、かつ本来の自分を抑えることのできるものすごい人物だと言えるだろう。小倉優子だって「こりん星から来たゆうこりんだぷー」というキャラを演じ続けることはできなかった。

 叶姉妹のすごいところは、カメラの回っていない舞台裏でも、決してそのキャラを崩さないところである。長きにわたり、周囲をも巻き込んでセレブキャラを維持しているうえ、次女の宝石持ち逃げ事件・実父の暴行事件などがあっても、本人たちは「この機にキャラチェンジを」などと目論むことはなく、それまでとまったく変わらぬ姿勢を貫いている。

 ここ数年、芸能人はブログやTwitterを通じて私生活を見せることも多くなってきた。叶姉妹もアメブロ上に公式ブログ「ABUNAI SISTERS」を開設した2009年当初は、一カ月に100~200本以上もの記事を更新し、ファンとの交流もはかっていた。それなのに更新は翌年から一気に減り、今年上半期はひと月平均9本。内容も、その月に誕生日を迎えることをコメント欄で申告したファンへの「ハッピーバースデー」コメントと、出演番組告知ばかりだ。これでは彼女たちの日常をうかがい知ることはまったくできない。そこで、叶姉妹がこれまでにリリースしてきた著書や写真集といった作品から、「叶姉妹」というタレントを読み解いていきたいと思う。

(※編集部註:2019年現在はブログやInstagramを頻繁に更新している)

 

叶恭子という人生
 まずは2000年(ミレニアム、懐かしい)に発行された恭子さんの自叙伝と言うべき一冊。第5章~7章にかけて、年老いた石油王との見合い相手として選ばれた経緯がつづられているが、彼女自身が「これはまさに映画の世界だ、と思いました。映画のシナリオにしても、ちょっとできすぎていて、むしろ陳腐という感じがするほどです」と述懐するほど、その部分は幻想的なストーリーになっている。

 ここに登場する彼女の家族は、「輸入会社」を経営する父親と、あまり家事をしない母親、妹の晴栄さん。父はよそに家庭をいくつも持っているプレイボーイで、あちこちで妾を囲って子供ももうけている。戸籍上では、7人の子供を認知しているが、他にももっといるのではないかと親戚たちは話しているという。美香さんもそのうちの一人で、いわゆる異母姉妹だと記されている。

子供心に、「なぜうちのお父さんは他にも家があるの?」「男の人は、なぜそういうことをするの?」と疑問に思い、やがて「それが男性の習性なのだ」と諦めるようになっていったという恭子さん。

 遠足に吉兆の三段重を持たせて白いリンカーン・コンチネンタルで送迎するほど経済的に余裕のある家庭だったそうだが、小学校は公立だったのか、恭子さんは好奇に満ちた視線にさらされ孤独を味わったという。その後、彼女が10代後半になり家を出たころに父親の会社が倒産。両親は離婚している。

恭子さんに数億円の現金を貢いだ男の存在
 学校で「規則」に縛られることに息苦しさを覚えた恭子さんは、高校時代から大阪のクラブに通う夜遊びを楽しむようになった。そして高校三年生の時に出会った、「秋田犬のような純朴さ」を持つ27歳の実業家男性と恋をする(後に、この男は実は30歳で子持ちだったと判明して恭子さんを失望させるのだが)。

 クラブでナンパしてきたこの男は、資産家だった父の遺産を相続して金には一切困っていないとのことで、会うたびに高級ブランドの品をプレゼントしてくれた。何百万もする高価な品物だが、いかんせん趣味が悪く、恭子さんはそれを身に着けることはできない。そこで、「気持ちは嬉しいけど、せっかくもらっても私は使わない。やめてほしい」と率直に告げたところ、男はなんと使い古した紙袋に一千万円の札束を入れてよこしたという。

 裕福な家庭で育った恭子さんでも、一千万円の塊を見たのはその時が初めて。その後も、男はたびたび現金をプレゼントしてくれ、たいていは一千万円(この塊を1ブロックと呼ぶそう)だったが、使いきらないうちにまた現金をプレゼントされるので、「どんなに高価な物を買ったところで使っても使っても減らない」状態に。恭子さんは一人暮らしの部屋で段ボール箱にその塊をキープした。一度に五千万円を受け取ったこともある。男は彼女をつなぎとめるために、湯水のように現金を渡し続けたという。彼女の部屋には現金の束が積み上げられ、まさに「マネー・トゥリー」状態だった。

 彼女は、『hon-nin』(太田出版)のインタビューで、辛酸なめ子に「恭子さんのように、無邪気にお金で遊べるようになるにはどうすればいいのか」と尋ねられ、「たくさんのお金をたくさんいただく経験が必要」と明言している。まさにこの、総計数億円はくだらないだろうと思われる現金を貢がれた経験が、その後の彼女の人生を大きく変えたと言っていいのかもしれない。

 さて、男とそんな関係が四年間続き、ある時、恭子さんは「彼が年齢を3つごまかしている。別の女性との間に子供もいる」という事実を知らされる。これで二人は恋愛関係にピリオドを打つことになるのだが、男は最後まで「僕を捨てないでくれ」「君を知ったらもう、普通の女の人を愛することができなくなってしまった」とすがった。

 この男が貢ぎ続けた金塊が資金となって、恭子さんは「自分で会社を興し、ビジネスをしてみよう」と考え、個人事務所を設立する。なぜそんなにいい暮らしができるのか、と問われた時に、「彼がとてつもなくお金持ちで」と素直に話したところで、誰も信用してくれないだろうと思ったからだ。その後、宝石・貴金属・時計を並行輸入する会社を設立。バブル好景気の影響もあり、「年商10億円を超える優良企業に成長」したという。また、彼女は株取引の手腕にも長けていた。男に貢がれた現金をただ蓄えておくのではなく、殖やしていった……というわけである。

 

謎の老紳士と石油王
 10代で数億もの大金を(男からの貢物として)手にし、会社を興して軌道に乗せた恭子さん。ある日、オフィスからほど近い赤坂でショッピングをしている最中に、老紳士と女性秘書から声をかけられる。その老紳士から差し出された名刺を見ると、「ああこの方」と納得するほど著名な、某企業の社長だったという。

 翌日、ショールームも併設された恭子さんのオフィスに訪れた老紳士は、恭子さんに縁談を持ちかける。しかもその相手は、80代の高齢男性で、アメリカの石油王。資産は880億円。これまで5人のハリウッド女優がその石油王とお見合いをしたが、縁談はまとまらなかったそうだ。

 恭子さんはこの「エキサイティングなお見合い大作戦」に乗り、フランスの古城に滞在しているという石油王の元へ赴く。石油王は彼女を気に入ったようだったのだが、即結婚、というわけにはいかない。帰国後、老紳士から「彼が結婚に踏み切るまでには、相当時間がかかる」「最低一年」と告げられた恭子さんは、待てないと言いお見合いを破談する。そしてこのお見合いそのものを受けたことに対する「御礼」を支払うという老紳士に、10億円を要求。すごい金銭感覚だ。

辻褄は合うのでは…
 『蜜の味』に書かれていることが、すべて事実かどうかは分からない。07年12月に、恭子さんの実父(同著によれば、美香さんの実父でもあるはずだが)が「金を返せ」と乗り込み、姉妹に傘を突きつけたなどとして暴力行為法違反の現行犯で逮捕されるという事件があったが、この時の週刊誌報道では、「父親は大阪で自動車部品の工場を経営していた」とされている。また、「羽振りがよかった頃、愛人を作って家を出ていったが、その後、工場が倒産して金策にあえいでいた」とも。

 なるほど、こうして照らし合わせてみると、輸入関係の会社か自動車部品工場かの違いはあれども、父が社長であったことは間違いないらしい。であれば、多少表現に誇張がある可能性は否めないとしても、『蜜の味』は十分に叶恭子の自伝として成立しているのかもしれない。

 多くの視聴者が疑問に思っている「叶姉妹の収入源」についても、「元カレが尋常じゃない額を貢いでくれたおかげで、それを元手に会社経営や株取引などの資産運用をしている」。これが正解だと思えば、彼女たちが高級売春婦だとウワサするよりもスッキリする。

最終更新:2019/03/30 07:15
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