巧みな偽装工作も……ジャパンライフ強制捜査の陰で相次ぐ「投資勧誘」の実態

2019/05/09 18:00

イメージ画像(足成より)

 高齢者をカモにした悪質商法に、捜査のメスが入った。

 4月25日、警視庁が健康器具販売会社「ジャパンライフ」の全国の関係先を家宅捜索した。同社は磁気治療器のオーナー商法などで高齢者を中心に多額の資金を集め、2017年に経営破綻していた。

 関係者によると、ジャパンライフは、「磁気治療器のオーナーになれば、そのレンタル収入で年6%の高配当が得られる」などとうたって出資者を募集。しかし、配当金が支払われないばかりか、出資金の多くも返還されなかった。被害は全国で7,000人超に達し、被害総額は2,400億円を超えるという。

 被害規模もさることながら、家宅捜索先のひとつにもなっていた創業者の華麗な人脈が、事件の注目度を高めた側面がある。

「山口隆祥元会長は、加藤勝信前厚労相をはじめとする複数の政治家と親交を持ち、顧問には官僚OBやマスコミ幹部も名を連ねていた。そうした面々を、勧誘時に信用を得るための材料にしていたフシもあります」(全国紙社会部記者)

 預託商法やマルチ商法の被害は絶えないが、最近ちまたでは仮想通貨への投資をうたって出資金をだまし取るトラブルも目立つ。ほかにも、都内を中心に新手の投資勧誘が広がり、「詐欺ではないか」と疑惑の目が向けられている。

「昨年末、A社から勧誘されたのが、パラオ共和国のリゾート開発への投資。ずいぶん熱心に誘われたんですが、聞けば聞くほど怪しいんです」

 こう明かすのは、都内在住の投資家の男性だ。

 男性によると、知人に持ちかけられたのは、パラオで建設途中だというホテルへの投資。投資によってホテルの経営権の一部を実質的に買い取ることで、収益を還元する――というのが趣旨だったという。

「A社は、ホテルの経営権以外に、土砂の採掘権なども販売していました。ただ、聞かされた事業計画はずさんで、収益を得られる見込みは限りなく薄い。そもそも、詐欺の気配がぷんぷんしたので、即座に断りました」(同)

「投資すればもうかる」。ジャパンライフのみならず、過去の出資法違反事件ではおなじみのフレーズである。もしA社が過去の事件と同様、高配当をうたって出資金を募る行為をしていれば刑事事件に発展する可能性もあるが、捜査の手が及ばないように、巧みな“偽装工作”もしていたという。

「勧誘する相手に対して出資金への配当を約束すればアウトですが、A社の場合は違った。なんでも、ホテルを利用するクーポン券を出資者に還元するというんです。そして会社側がこのクーポン券を買い取ることで、実質的な配当にするというやり方です。おそらく、出資法違反に問われないために考え出したスキームでしょう。ただ、クーポン券の売買には古物商の資格が必要で、A社がその資格を取得している気配はなかった。それも詐欺と疑った要因のひとつです」(同)

 繰り返される投資詐欺の被害。うっかり出資して泣きを見ないためには、甘い誘いに乗らないことが肝要だ。

最終更新:2019/05/09 18:00

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