Microsoft Storeでの販売終了で、がぜん現実味を帯びる電子書籍の脆弱性

2019/05/08 23:00

Microsoftのニュースリリースより

 4月にマイクロソフトが突如発表した「Microsoft Store」での販売終了が、電子書籍の危うさを実感させている。

 近年、紙に変わって雑誌や書籍を読む手段として普及してきている電子書籍。多数の電子書籍販売サイトが乱立し、さまざまなジャンルの作品が販売されている。

「すでにマンガ……とりわけエロに関しては電子が紙の売り上げを逆転しています。マンガも電子配信が主流になりつつあります。これによってユーザーも慣れてきたのか、最近では文字の本も電子版の売り上げが伸びてきています。一時は、文字を読むには紙でなくてはならないという意見もリアリティがありましたが、次第にそれも過去の話になっていますね」(編集者)

 だが、電子書籍には大きな問題がある。それは、販売されているのはあくまでデータを閲覧する権利だけであること。紙の本のように人にあげるとか、古本屋に売ることもできない。そして、その電子書籍のサービスがなくなれば、消失してしまうのだ。

 Microsoft Storeの場合、終了にあたって購入分の全額返金を打ち出している。けれども、すべての電子書籍サイトが、そういった措置をとれるかはわからない。

「これまでのところ、サービスを止めるにあたってなんら補填がなくても騒動になるということは起きた事例がありません。とはいえ、あくまで私企業の行っている事業ですから、突然なくなることも大いにあり得る。そこは、これからも電子書籍のネックになり続けるでしょう」(同)

 先日、eBookJapanがYahoo!と統合し、サービスを一新した際には、使い勝手が悪くなったとユーザーからフルボッコにされた。結局、電子書籍の問題点は、すでに本を購入しているのに、運営の論理に振り回されることだろう。

 これは電子書籍がどんなに普及しても消えない問題。そう考えると、紙の本が消え去るなんてことはなさそうだな。
(文=是枝了以)

最終更新:2019/05/08 23:00

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