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ドラマ評論家・成馬零一の「女優の花道」

映画版『コンフィデンスマンJP』が大ヒット! 長澤まさみはテレビより映画向き?

文=成馬零一

長澤まさみは生粋の映画スター

 その後は、NHK大河ドラマ『真田丸』などさまざまな話題作に出演。30代になった彼女は、誰もが認めるスター女優へと成長した。

 小さな作品に出演すると地味だが、大河ドラマや大作映画のような 大きな舞台に立つと豪快にホームランをかっ飛ばす4番バッターというのが、今の彼女の印象だろう。そのため、テレビドラマよりは映画の方に代表作が多くなってしまうのだが、それは彼女が生粋の映画女優だからである。

 銀幕のスターという言葉が死語になって久しいが、彼女の豪快な演技は、テレビのモニターよりも、映画館の大きなスクリーンで観たくなる。

『コンフィデンスマンJP』のダー子も映画では舞台を香港に移し、華やかな衣装を着る場面が増えると、ゴージャス感が倍増した。ドラマの時点で、スケールが大きな娯楽作品ではあったが、映画になって初 めて、そのポテンシャルが発揮されたように感じた。

『コンフィデンスマンJP』と並んでヒットしている映画『キングダム』にも長澤は出演中。本作は古代中国を舞台にした時代劇だが、長澤が演じるのは山の民と呼ばれる異民族を束ねる女将軍・楊端和。屈強な肉体を駆使した見事な殺陣を演じており、ダー子とは違った魅力を見せている。

 今年1月には木村拓哉主演の映画『マスカレード・ホテル』に出演。事件の捜査でホテルマンとして潜入捜査する刑事の教育係となったフロントクラークの山岸尚美を好演した。二大映画スターの共演ということもあってか、木村と長澤がスクリーンに登場すると実に華やかで、銀幕そのものという感じだった。今の女優で、木村拓哉と対峙しても一歩も引かずに輝きを維持できるのは、長澤だけではないかと思う。

『マスカレード・ホテル』『キングダム』『コンフィデンスマンJP』と、今年に入ってすでに3本のヒット映画に出演している長澤。今後も映画界の4番バッターとして、豪快な演技を披露し続けるはずだ。

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

最終更新:2019/06/13 13:30
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