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テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

“第7世代の刺客”Creepy Nuts・DJ松永の、爽快で痛快なべしゃり

文=飲用てれび(いんよう・てれび)

ニッポン放送公式サイトより

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月12~18日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

インパルス・板倉「第7世代っていうワードを生み出された時点で、結構もうやられてんだよね」

 芸能界は椅子取りゲーム――そんな比喩がよく使われる。芸能界に新たに参入するためには、自分と似た誰かが座る席を奪わなければならない。黒ギャル系のタレントが今から活躍しようとすると、みちょぱかゆきぽよかどちらかを押しやらなければならない、というように。

 他方、椅子取りゲームのような個人戦ではなくて、団体戦での戦い方もある。あるカテゴリが示され、そこに含まれる芸能人が層としてテレビ内で一定のポジションを確保していくパターンだ。たとえば、オネエ系やおバカタレント、一発屋、NGなしタレント、そして、お笑い第7世代などが挙げられるだろう。

 第7世代とは、霜降り明星、EXIT、宮下草薙、四千頭身、納言、かが屋、ハナコら若手芸人をもっぱら指す言葉だ。『M-1』優勝後の霜降り明星・せいやのラジオでのトークが発信源とされる。この言葉を旗印に、2019年は彼らが多くのバラエティ番組で活躍した。テレビに出る顔ぶれが10年前と変わらないと揶揄されることもある芸人の世界に、新しい風を吹き込んだ。

 ただ、そんな第7世代という言葉は、若手芸人をまとめて売り出すという以上の効果があるように思う。そんな場面を先週のテレビから3つ紹介したい。

(1)16日『アメトーーク!』(テレビ朝日系)

 ジャングルポケット・太田が自分たちのことを「たぶんお笑い第6世代」と呼び、自虐的に笑いに変えていた。第7世代という言葉の誕生により、そこからの逆算で自分たちが第6世代と見なされるようになったが、すでに第7世代という言葉がある以上、どうしても自分たち第6世代には「型落ち感」「ほんのりアウトレット感」がある、「一番若手じゃない若手」「一番キラキラしてない若手」の印象がある、と。

(2)18日『ゴッドタン』(テレビ東京系)

「腐り芸人セラピー」と題した企画で、ザ・ギースの高佐が腐りながら語っていた。第7世代という言葉がはやった19年は、第6世代への観客の視線が厳しく、実力派コント師が軒並み『キングオブコント』で勝ち残れなかった、と。それに対し、インパルス・板倉が「第7世代っていうワードを生み出された時点で、結構もうやられてんだよね」と冷静にコメントしていた。

(3)17日『爆笑問題のシンパイ賞!!』(テレビ朝日系)

 霜降り明星と爆笑問題がMCを務める同番組では毎回、第7世代の芸人と、主に『ボキャブラ天国』(フジテレビ系) に出演し1990年代中頃~後半に活躍した(が、その後フェードアウトしていった)ボキャブラ芸人たちが、それぞれロケに行った映像が流される。ボキャブラ芸人たちのロケは総じてトンチキで、たとえばBOOMERは必ずロケ中に居眠りをする。17日の放送にはプリンプリンが登場。ボケ役の田中が、離婚して15年間会えていないという子どもとの悲哀あふれる話を披露した。

 カテゴリは似たものをまとめるだけではなく、違うものを差異化し強調する。第7世代という言葉が掲げられて始まったのは、平成生まれの芸人のパック売りだけではない。少し上の第6世代が新たな切り口で自らを売り込み始めている。さらには、めぐりめぐってボキャブラ芸人にまで改めてスポットライトが当たっている。

 風が吹けば桶屋が儲 かる。それと同じ意味合いで、霜降り明星が『M-1』で優勝すると、BOOMERがロケで寝る。現代のことわざとして、後世に語り継いでいきたい。

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