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『フリースタイルダンジョン』レビュー

『フリースタイルダンジョン』小泉進次郎の「小泉構文」をサンプリングする北の実力派ラッパーMC松島

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系/AbemaTV)

 2月25日に放送された『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)。今回のチャレンジャーは、UMB北海道予選を4度制する実力派ラッパー、MC松島だ。

 松島が登場しただけで、審査員の漢a.k.a GAMIがニコニコしている。松島の相手に召喚されたモンスターはTKda黒ぶち(てぃーけーだ・くろぶち)。TKと松島は同い年で、2人は友人関係にあるようだ。

「真面目にふざける」を貫くMC松島

 ルーレットを回すと、出てきたのはなんとアカペラ(ビートを流さず無音の中で行うフリースタイルバトル)! ダンジョン初の無音ラップが、とうとう発動するのだ。MC松島のバトルでアカペラが発動するというところが、なんともエグい。この巡り合わせはガチなのか、それとも誰かが裏で操作をしているのか……? なんにせよ、面白そうだからOKだ。

  両者の持ち時間は、1回60秒。いざ始まると、この60秒が長く感じる。独特な緊張感があるし、始まりのタイミングは見るからに難しそう。

 先攻はTK。あえて無音の間を自ら作り、それからスタートしていった。いきなり魅せてくれたのだ。

地元春日部は こんぐらい静かだ 
つまり 静寂の中で計画を練ってる

 ビートなしだからこそできる、ベッドタウン・春日部を用いた表現が素晴らしい。あと、TKのライムはアカペラだとさらに聴き心地がよく感じる。やっぱり、この人はうまい。

 そんなTKのアカペラに対し、後攻の松島はある意味、対照的だった。大丈夫か? と心配になるほどリズムキープに苦戦しているように見えた。いかにビートが大事かを痛感してしまう。ラップというか講談というか漫談というか、もはやラップですらなく感じる瞬間があったのだ。お笑い芸人によるスタンダップコメディのような……と思っていたら、松島からこんなサンプリングが飛び出した。

間違いは故郷だから 誰にでもあるぜ

 昨年末『M-1グランプリ2019』(テレビ朝日系)で3位になったぺこぱの漫才のフレーズ「知識は水 間違いは故郷」をいきなり引用する松島。このあたり、さすがである。自由というか、松島ワールドというか。

 そう、これはフリースタイルバトルなのだ。フリースタイルでいい。既存のスタイルを超えていい。もしJUMBO MAATCH(じゃんぼ・まーち)がアカペラに臨んだら、不意に歌いだしてもおかしくない? なんて妄想までしてしまった。

 1本目は4-1でTKの勝利。「クリティカルでTK勝利か?」とも思ったが、それはギリギリ免れた。松島に票を入れたゲスト審査員・HUNGER(はんがー)のコメントも聞いてみたかった。

 2本目からは、もちろんビートありだ。1本目の松島があまりに自由すぎたので「勝負を投げてる?」とさえ思っていたが、それは杞憂だった。

「HIPHOPの始まりはマイナスをプラスに改革するためだぜ
その後に実験があったってこと」(TK)

「HIPHOPってのはどこから始まったかの話
ちゃんとクイズでやんなきゃ
こんな8小節2本じゃどっちがリアルかわかりませんけどね」(松島)

 TKはあくまで正攻法を貫き通すが、何気に対話で松島に打ち返されている。松島は単なる色物じゃない。ちゃんと韻が踏めるし、メチャクチャ弁も立つ。カラーボールのふりをして、気を抜いてるととんでもない豪速球を投げてくるイメージだ。

 そんなことは、友人のTKは百も承知。3本目には、こんなやりとりがあった。

「ふざけてはいるけど松ちゃん 実は真面目な奴ってことは俺は知ってる
なのに それをなぜかステージ上で出さない
それはダサいと思うぜ お前は心と会話して
なのに視点 ズレてるぜ
MCとしてお前ブレてるぜ」(TK)

「熱いことを言ったり 熱いことが言えなくなったりする奴よりも
見るたび毎回 ふざけてる奴のほうが真面目だろ
わかんのか 大人じゃねえのか
俺はすっげぇ真面目なんだってことがわかってんだったら
すっげぇ真面目だってことがわかってんだ」(松島)

 信念をさらけ出している感すらある松島。彼が「真面目にふざける」スタンスを貫く理由だ。カラーボールのふりをする松島が、豪速球を投げてきた。

 あと、「俺はすっげぇ真面目なんだってことがわかってんだったら すっげぇ真面目だってことがわかってんだ」の部分に注目してほしい。言い回しがまどろっこしく感じないだろうか? でも、決してかんでるわけじゃない。

 これ、「反省の色が伝わらない、そういう自分を反省したい」「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」等、苦笑必至の発言を連発する小泉進次郎に注目したネット民の間で話題の「小泉構文」をサンプリングしているのだ。これには笑った。MC松島の知性とユーモアが大爆発! 松島に小泉進次郎が乗り移り、MC小泉が爆誕したかのようである。

 結果、このバトルは2-1で松島が勝利した。

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