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『フリースタイルティーチャー』ラッパー×芸人の新スタイル成功なるか? “イカ天”的『ダンジョン』の功罪とメッセージ

『フリースタイルティーチャー』ラッパー×芸人の新スタイル成功なるか? イカ天的『ダンジョン』の功罪とメッセージの画像1
『フリースタイルティーチャー』(ABEMA公式サイトより)

 7月1日放送の『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系) で、同番組は最終回を迎えた。ラストのオープニングにSKY- HI「Enter The Dungeon」のライブを持ってきたところが泣ける。この曲は、2015年9月にスタートしたダンジョンのテーマ曲だった。

バッドエンドはCreepy Nuts「未来予想図」で締め括る

 最終回で放送されたのは、「若手の実力に未来を感じたバトル BESTSELECTION」だ。ここ数週は総集編続きだったが、今回もそれは同様。R-指定 vs KOPERUのコッペパン対決やT-Pablow vs 裂固(ROUND1を流してほしかった!)など、「わかってるなぁ」とファンを唸らせるバトルばかりがセレクトされ、その点は大満足である。

 中でも特に目を引いたのは、R-指定 vs J平のバトル。【コンプラ】ばかりで、何を言っているのかよくわからないのだ。

R-指定  「誕生日が4月11日
      俺は9月10日 【コンプラ】
      お前みたいな木偶の坊 【コンプラ】
      気をつけろ 審査員も【コンプラ】もびっくりだ」

J平    「俺という名の【コンプラ】また崩れる
      HIP HOP is scrap and build
      壊れてから また再構築てここ」

 確かに、言ってることはスレスレだ。明らかに2人は9.11に言及しており、R-指定は最後を「審査員もビン・ラディンもびっくりだ」で締めている。よくぞ、この一戦を番組の最終回に持ってきたものだ。

 あと、呂布カルマ vs MU-TONのセレクトにも痺れた。

呂布   「MU-TON お前どうせ本名 武藤だろ」

MU-TON 「武藤じゃねぇ
      甘すぎるのは お前のラップだぜ」
     
     「Microphone使った これがFlag
       俺が魅せる 本物のBlack」

 武藤→無糖→BlackというMU-TONの流れが最高。ただ、放送時にはMU-TONが呂布をフルボッコしたような印象だったが、今見ると決して呂布も負けていない。昔見たバトルを見返すと全然違った印象になることは多い。そういう意味で総集編も悪くなかった。

 この日の放送のラストは、Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)「未来予想図」のライブである。「Enter The Dungeon」で始まり「未来予想図」で締める構成は、最終回の流れとして綺麗。バッドエンドにこの曲の歌詞は至極ハマっている。

「ダンジョンが終わり 世間の熱は下がり
冷やかし半分だった客足は遠ざかり
担がれた神輿 道端に置き去り
お決まりのシナリオやな…いかにも
今以上肩身狭くなるそんな未来像
芸人 youtuber アイドル 俳優 タレント すり寄る大人達も
テレビ 雑誌 ネットメディアどこにもいないよ
鬼の首を取ったように『ほら言わんこっちゃない』
『こうなると思ってた』『初めからわかってた』
したり顔のヘイター皆 水を得た魚
真っ先に槍玉あげられんの俺かな?
『お前のせいでシーンにガキが増えた』
『お前らが間違った広め方をしたせいだ』と
戦犯 つるしあげ 容赦ない罵声
画面越しのウォッチメンが言う“落ち目”」

 とは言え、モンスターの中で一人勝ちしたR-指定がバトルブームから一抜けしている状況は皮肉とも言える。1月28日放送回でゲッターズ飯田の弟子・ぷりあでぃす玲奈から占われた際、2020年のラッキーワードは「手放す」だと言われたR-指定。この辺もダンジョンの終幕と繋がっている。

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