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【実録ルポ】取引先が誤診で新型コロナ陽性に…自分も濃厚接触者でいきなり!14日間の隔離生活!!

【実録ルポ】取引先が誤診で新型コロナ陽性に…自分も濃厚接触者でいきなり!14日間の隔離生活!!の画像1
(写真/Christopher Furlong「GettyImages」より)

 突然じゃない電話なんてない、だけどその電話は本当に突然かかってきたんです。

「矢吹さんすいません、新型コロナ陽性でした……」
 
 その瞬間、僕は“濃厚接触者”に特定されてしまいました。

 僕はカルロス矢吹という名前でライターやイベント制作などを生業としています。これから『“濃厚接触者”に指定されてから2週間をどう過ごしたか?』に関するルポを書きますが、これは誰かを責めるためではなく、「こんなこともあるんだなあ」と読んだ方の参考になればと思い筆を取った次第であります。必ずこういうことが起きる、という訳ではないのであしかず。

取引相手が陰性から一転、やっぱり陽性に……

 さて、大事なことなので時系列を追って正確に記します。僕に電話をかけてきた人、ここではA氏と呼びましょう。A氏と仕事で接触があったのは、7月27日午前のこと。そして30日の正午過ぎに、彼から冒頭の電話がかかってきて、新型コロナに感染した旨が告げられました。

 実はA氏は7月第4週に体調を崩し、発熱も伴っていたため、念のため自腹でPCR検査を受診。その時点では医師から“陰性”のお墨付きをもらっていました。

 仕事で会って話した時も「大変だったね~」なんて会話のネタになっていた程度。ですが、30日正午にPCR検査を受けた病院からA氏に「ごめんなさい。ドクターが検査の結果を見間違えていました、あなた本当は“陽性”です」という、とんでもない電話がかかってきたそうです。そして「体調を崩して発症してから、マスクを外して会話をした人を洗い出して欲しい。すべて“濃厚接触者”になります」。そう続け様に伝えられ、A氏は僕を含めて思い出せる限りの“濃厚接触者”達に連絡を取り、保健所が手配した車で病院へと運ばれました。ちなみに車はVOXYだったそうです。

 A氏は自分から感染を未然に防ごうとしたのに、完全に病院のミスで発症者が野に解き放たれてしまった形です。ただ、検査や診察も人間のやることですから、こういうことは起こり得ること。そして当然といえば当然なのですが、“濃厚接触者”かどうかも、基本的には感染者の記憶・判断力次第なんだな、ということもこの時初めてわかりました。

 A氏から電話を受けたしばらく後、味覚をチェックするためにuberで頼んだカレーを食べていたら、保健所から電話。口頭で今後の対応を指示されました。

 ここからは僕の記憶力が試されることになります。なにせ自分も感染・発症のリスクが非常に高くなったわけなので、まずはA氏と会った27日午前以降、接触があった人々に“濃厚接触者”に指定されてしまったこと、経過を随時連絡することを伝えました。なんせ自分も発症したら、彼ら彼女らも“濃厚接触者”となります(この時はみんな、自分ではなく僕の身を第一に気遣ってくれて、本当にありがとうございました)。

 そして“経過観察期間”となる8月14日までの2週間は外出・人との接触を避けることも指示されたので、それまでの予定を全てリスケ。これがもっとも面倒でした。なにせフリーのライターなんて、人と会うことが仕事になります。取材の予定もたっぷり入っていたので、まずは編集者や取材担当者に直接リスケ、もしくは代役を立ててもらうお願いメールをせっせと作成。そしてこれは偶然だったのですが、たまたま経過観察期間中はテレビ&ラジオ出演が3本決まっており、これらにリモート出演が可能かどうか、その場合必要な機材は何か? などもせっせと問い合わせました。

 そしてそして、最もしわ寄せが行ってしまったのは家族です。A氏からの電話を事務所で受けていたため、保健所からも「可能なら事務所で寝泊りして家には帰らないように」と釘を刺されました。家には妻と、まだ2歳に満たない双子がいます。いくら感染リスクを減らすためとはいえ、幼い子どもの世話を全て丸投げするのは気が引けました。が、妻からも「帰ってくるな」という厳命が降ったため、2週間事務所で自主軟禁生活を送ることに。

 これら公私にわたるすべての連絡事項が片付いたのは、翌31日4時過ぎ。A氏からの電話を受けて、16時間が経過していました。疲労困憊で日の出前に就寝。

 睡眠を取り、31日11時。事務所から徒歩で歩ける総合病院へ、PCR検査を受けに外出。“濃厚接触者”に指定された人達がソーシャルディスタンスを守りながら列を成し、順番が来たらグイグイっと鼻に棒を突っ込まれて検査終了でした。翌8月1日夕方に保健所からの電話で“陰性”を言い渡され、とりあえずこの時点では一安心したものの、14日までは発症の恐れがあるためどっちみち自主軟禁生活です。

 保健所や病院と複数回接してみてわかったことは、「とにかくみんな忙しそう」そして「とにかくみんな疲れている」の二点でした。“誠意は金額”という名言を残して中日ドラゴンズから移籍していった福留孝介しかり、本当に「医療従事者に感謝!」と思うのなら、拍手ではなく、とっとと国からでもどこからでもいいから臨時ボーナス支給してあげてください。今更誰も文句言わないでしょう。

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