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TBSの“略称攻め”ってそろそろ無理がない? 「ボス恋」に「ブルきゅん」…スベリ気味な火曜ドラマの愛称

文=東海林かな(しょうじ・かな)

オー!マイ・ボス!恋は別冊で』公式サイトより

 「#ボス恋」に「#ブルきゅん」。これは火曜ドラマ『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』(TBS系)の公式SNSにタグ付けされているワードだ。「ボス恋」はドラマ名の略称として、番組のタイトルロゴにも添えられているなどから、この名前で呼んでほしいという制作側の思いが見て取れる。たしかに昔から『ロンバケ(ロングバケーション)』(フジテレビ系)や『あぶデカ(あぶない刑事)』(日本テレビ系)など、自然発生的に短い愛称が生まれてきたテレビ番組はたくさんある。さらに、ここ最近ではSNSでの拡散や検索のしやすさが考慮され、略称ありきの宣伝も多い。しかし、そろそろ無理があるという印象が否めないのが、TBS火曜ドラマ枠の“略称攻め”だ。

 どうやら、このTBS火曜ドラマ枠にはひらがな4文字に略せるとヒットするというジンクスがあるらしい。そのためか、内容を女性向けの恋愛ドラマに舵を切った2016年ごろから、ほとんどの作品には略称がつけられている。『ぎぼむす(義母と娘のブルース)』や『わたナギ(私の家政夫ナギサさん)』などは、覚えている人も多いだろう。『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』(TBS系)もそうだ。この略称も、番組公式SNSの開設当初から使われており、同時に「むずキュン」という「むずむず」と「胸キュン」を合わせた造語もうまく浸透していった。

 しかし、現在放送中の『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』では、その戦略がうまくいくのか、今のところ疑問だ。特に、ドラマが押す「ブルきゅん」に関しては、正直なところ言葉だけでは何の省略なのか分からない人も多いはず。番宣では「鬼上司にブルブル震えるさまと胸キュンをあわせた造語」と説明をしていたようだが、「むずキュン」と違ってピンとこないのは、まったく違う2つの言葉を合わせているせいだろう。ドラマの内容を知れば理解できるが、直感的ではない、少し遠回しすぎる言葉のように思える。

 たしかに、長いタイトルのドラマに略称をつけることは、ヒットを手助けする要因になるかもしれない。しかし、略称自体がハマっていて、そもそもドラマ自体がおもしろくなければ意味がない。ただこれまでの火曜ドラマの流れを汲んで、無理につけられたような気さえする今回の「ボス恋」や「ブルきゅん」は、ドラマのイメージをどのように左右するか。その押し付けがましさが、作品の足をひっぱりはしないだろうか。

 火曜ドラマに限らず、『半沢直樹』をはじめとしたヒットドラマを生み出していることから、ここ数年は“TBS一強時代”とも言われることもあるほどドラマに強いTBS。だが、そろそろ変化が必要なのかもしれない。過去の成功例をなぞることもひとつの手だが、こだわりすぎたことで、ドラマの魅力を下げてしまうのでは、あまりにも残念だろう。

■番組情報
火曜ドラマ『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』
TBS系/毎週火曜日22時~
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉ほか
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデュース:松本明子
音楽:木村秀彬
主題歌:Kis-My-Ft2 「Luv Bias」(avex trax)
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/BOSSKOI_tbs/

東海林かな(しょうじ・かな)

東海林かな(しょうじ・かな)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

最終更新:2021/01/19 17:30

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