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罵倒・罵声は当たり前! 鉄道会社社長も「阿呆連中」と罵る“撮り鉄”の異常性

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写真はイメージ

 夢中になれる対象があるのは素晴らしいことだが、ルールやマナーを守るのは当たり前。鉄道写真にハマる“撮り鉄”が、大事故にも繋がりかねないトラブルを起こし、厳しい声が寄せられている。

 事件が起きたのは4月25日、JR京浜東北線の西川口駅でのこと。特別列車を撮影しようとした鉄道ファン同士がトラブルになり、男子中学生が19歳の男に投げ倒され、頭の骨を折る大ケガをした。男は別の中学生とトラブルになり、この様子を撮影していた男子中学生に激昂。投げ倒して大ケガを負わせたという。

「鉄道ファンには、鉄道に乗るのが好きな“乗り鉄”、模型が好きな“模型鉄”、撮影に情熱を燃やす“撮り鉄”など、色々なタイプがいますが、圧倒的にトラブルが多いのが撮り鉄。自分が求める写真を撮りたいがために、それを邪魔する人に対し罵詈雑言を浴びせるのは日常茶飯事で、大勢のマニアが集まる人気撮影スポットでは、怒鳴り声や罵声が絶えません。動画サイトには、山ほど“罵声動画”が投稿されています。当日の事件も、撮影場所をめぐってのトラブルだったようです」(週刊誌記者)

 YouTubeを確認すると、「どけよ!」「下がれよ!」「死ねーーーっ!」など、聞くに堪えない言葉を吐く様子が収められた動画が多数存在するが、言葉だけならまだかわいいものだ。時に撮り鉄は“実力行使”にも及び、たびたび問題になっている。日本中の鉄道をあらかた乗り尽くした“乗り鉄”の男性は言う。

「撮り鉄が起こした事件をあげていったら、それこそ本が1冊書けます。線路内に侵入して電車を止める、撮影の邪魔だと木を切る、杭やロープを抜く、邪魔になった親子に土下座をさせる、勝手に場所取りの張り紙を貼る、花畑を踏み荒らす、駅員に注意されて逆ギレする……まだまだ他にもたくさんあります。鉄道ファンから見ても、撮り鉄のトラブルは多すぎます。私も大宮駅で、特急列車の前を歩いていただけで『邪魔だ!』と怒鳴られたことがあります」

 問題を起こす輩は、同じ鉄道を愛しているはずなのに同好の士から疎まれ、鉄道会社から迷惑扱いされることを何とも思わないのだろうか。鉄道会社にとって鉄道ファンは大事なお客様だが、撮り鉄を嫌う鉄道職員は少なくないという。

「数年前、いすみ鉄道(千葉県)の社長が、マナーの悪い一部の鉄道ファンを『阿呆連中』『言葉が通じない』とブログに書き、物議を醸しました。確かにマナーやルールを守らないマニアは、他の客にとって害毒でしかなく、事故も起きかねませんから、阿呆と言われても仕方ないでしょう。

 現場の職員からすれば、ホームに群がったり、線路際にかぶり付く輩は安全運行の妨げになりますし、鉄道会社にしても、撮り鉄は車移動するケースが多く、あまりお金を落とさないので、“乗り鉄”ほどありがたくはない。鉄道会社はコロナで大幅な減収を強いられていますから、今後、見せしめ的に損害賠償請求されるケースも出てくるでしょう」(鉄道業界に詳しいフリーライター)

 “阿呆連中”を静かにさせるには、強硬手段が一番かもしれない。

藤井利男(ライター)

1973年生まれ、東京都出身。大学卒業後に週刊誌編集、ネットニュース編集に携わった後、独立。フリーランスのジャーナリストとして、殺人、未解決事件、死刑囚、刑務所、少年院、自殺、貧困、差別、依存症といったテーマに取り組み続けてきた。趣味はダークツーリズム。

ふじいとしお

最終更新:2021/04/30 07:00
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