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Kis-My-Ft2「限定」サブスク解禁に業界から失笑の声…それでもLINE MUSICを選んだ“賢い”理由

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エイベックスより

 今年デビュー10周年を迎えるKis-My-Ft2が、デビュー日である8月10日からサブスクリプション型音楽配信サービスで音源を配信することを先日発表した。しかし、「期間限定」「サービス限定」となっていることに、業界からは失笑の声が漏れ聞こえてくる。

 Kis-My-Ft2は、デビュー10周年を記念して8月10日にベストアルバム『BEST of Kis-My-Ft2』を発売予定。これに合わせ、同日より『BEST of Kis-My-Ft2』収録の全66曲が配信されることが決定した。プレスリリースでは「Kis-My-Ft2がついにサブスク解禁!」と謳われたこともあり、発表のあった7月26日にはTwitterで「サブスク解禁」がトレンド入りするなど反響を呼んだのだが……。

「配信はLINE MUSIC限定で、しかも期間限定の企画だそう。これには『ジャニーズはどれだけサブスクに後ろ向きなんだ』と呆れた声が業界内で多く上がっています。キスマイが所属するエイベックスの若手社員も苦笑いでしたね。

 これまでキスマイのMVは視聴地域の制限がかかっていて、アジア圏など一部地域以外からはYouTubeで観ることができなかったのですが、ベストに収録される新曲『A10TION』のMVで制限を外して全世界公開にしたりと変化を見せていた。それなのに日本で登録されたLINEアカウントでしか使用できないLINE MUSIC限定で音源配信とは……」(音楽ライター)

 ジャニーズといえば、いまだデジタル配信には消極的で、嵐が先日ようやく、これまで発売された楽曲のうちほぼ全曲の配信を実現したほか、昨年には堂本剛、今年6月に堂本光一のソロ作が配信された。

 また、KAT-TUNは3月発売のシングル『Roar』で、ジャニーズ史上初めて発売日と同日に表題曲を配信し、また配信限定となる「Flashback」もリリース。わずかながらも動きは見せているが、今回のKis-My-Ft2のケースは、KAT-TUNのような「お試し」に近いとみられる。

「KAT-TUN『Roar』の時は、限定盤など全種類を購入することで生配信イベントが視聴できるなど、CD発売にはかなり力を入れていたものの、一方でデジタル関連のプロモーションには特に熱量はなく、結局のところ配信のほうは無風状態。“配信した”という形だけ欲しかったのでは、とも言われました。サブスクなどのデジタル配信はライト層を広げるいいきっかけになるものですが、事務所は現状、コア層であるファンの購買力にしか関心がないように見えますね」(レコード会社関係者)

 まだまだデジタル配信については手探りの面が大きそうだ。しかし、今回、Kis-My-Ft2のサブスク配信先をLINE MUSIC限定にした点は注目に値するという。

「エイベックスがサイバーエージェントと始めた『AWA』ではなくLINE MUSICというのは少々驚きましたが、これはなかなか賢い。

 LINE MUSICは頻繁にランキングが更新され、かつメインは邦楽。そして何より、“一定数を再生した人の中から抽選で●●をプレゼント”といった施策がしょっちゅう行われており、再生回数を“稼ぐ”ことが容易なんです。良心的なところでは1回以上とか数十回が条件なのですが、アイドル系では最低でも1000回というのも珍しくない。『キスマイの楽曲をさらに楽しめるキャンペーン』を今後予定しているということですから、同様の企画を行うのでは? 1時間ごとに更新される『リアルタイム』ランキングなどもあるので、瞬間風速的に1位をとったり上位を独占すれば、『LINE MUSICで1位に!』などとニュースにもしやすく、“盛り上がっている”感を演出できます。これで他のサービスにも一律配信してしまうと、“LINE MUSIC以外は全然盛り上がっていない”なんてことになりかねませんし、LINE MUSIC側も独占配信してくれるキスマイを手厚くサポートすることでしょう」(同上)

 このプロモーションが成功すれば、他グループも追随することになるのかもしれない。

「一定期間だけLINE MUSICで配信し、再生回数を回すだけ回して話題を作った後に配信停止になる……というのが繰り返されれば、ファンではないただの音楽好きユーザーなどから反感を買うと思いますけどね。もっとも、そもそもサブスクは“いつまでも聴ける”ことを保証しているわけではなく、権利元の都合でひっそりと配信停止となることも珍しくない。CDを売りたいジャニーズにとっては、このやり方は今のところベストなのかもしれません」(前出の音楽ライター)

 今回のKis-My-Ft2の“サブスク解禁”はジャニーズ事務所にとって新たな指針となるのか、それとも──。

加賀美ジョン(音楽ライター)

洋邦問わず、音楽にまつわる編集・ライティングで十数年。クレジットを眺めるのが趣味。

かがみじょん

最終更新:2023/08/01 18:49
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