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NHK『魔改造の夜』大企業の技術力VS中小企業の底力! 扇風機が走り、赤ちゃん人形が綱を渡る

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

NHK『魔改造の夜』大企業の技術力VS中小企業の底力! 扇風機が走り、赤ちゃん人形が綱を渡るの画像1
『魔改造の夜』(NHK BSプレミアム)

 8月14日と21日の2週にわたり、『魔改造の夜』(NHK BSプレミアム)の第3弾が放送された。筆者は正直、この番組のために受信料を払っていると言っても過言ではない。

 魔改造を「オモチャや家電のリミッターを外し、えげつないモンスターに改造する行為」と定義する、この番組。具体的にいうと、ミニ四駆をとてつもない猛スピードで走らせるだけでなく、頭上高くジャンプできるように改造する……というベクトルだ。第1段と第2弾で行われた魔改造の内容は以下である。

【第1弾】トースター高跳び、ワンちゃん25m走
【第2弾】クマちゃんのおもちゃ瓦割り、お掃除ロボット走り幅跳び

 エンジニアにとって、まさに甲子園のようなプログラム。今回行われたのは「扇風機50m走」と「赤ちゃん人形綱渡り」の2種目であった。出場したのは、3Dプリンターを駆使した製品開発に取り組む「Sライズ」、金属加工を得意とするプロ集団「Nットー」、日本3大自動車メーカーの一角「N産」の3チームである。

 ちなみに、第1弾には日本の最高学府の頂点に君臨するT大学が参戦したが、今回は学生チームの参戦がない模様。残念である。経験の乏しい若者が失敗しながら学んでいく“蒼さ”は、『魔改造の夜』の醍醐味の1つなのだから。

煙を吐き、唸りを上げながら走る用途不明の扇風機

「扇風機50m走」とは、扇風機に車輪を付け、風力のみで走行し、直線25メートルを往復したタイムを争う競技だ。ゲスト解説・伊集院光のコメントは的確だった。

「そもそも扇風機って動かないほうがいいですよね。風力が強くて台座が動いちゃう扇風機っていうのは、たぶん今まで“いい製品”とされたことはないと思うんです」

 つまり、扇風機の違った一面が見られる競技ということ。各チームはどんな風に扇風機の新境地を引き出したのか? 例えば、Sライズは形状を大胆に変えてみせた。長い首をバッサリなくし、扇風機というよりはサーキュレーターのようなフォルムに仕上げたのだ。「原型を残す」美学より、「速く走る」性能へとためらわず寄せていった。実は、Sライズで陣頭指揮を執った井上雄介プロジェクトマネージャーの前職は、H技研のレース用オフロードバイクの開発責任者である。“元走り屋”をリーダーに据え、とことん勝ちにきているようだ。

 そして、やっぱりこのチームは速かった。彼らが弾き出した記録は、なんと6秒90! これほどのマシンを1カ月半の開発期間でよくぞ作り上げたものだ。他チームの様子を伺うと、見るからに焦っている。それほど、この扇風機の完成度は高い。用途は不明だが、そのまま市販すれば誰かが買うのでは? Sライズの走りを見ていると、うちのサーキュレーターまで走り出しそうな気がしてきた。

 Sライズとは対象的に、扇風機の原型をそのまま残したのはNットーである。高くて長い首はいかにもバランスが悪く、スピードが出ると首がもげそうな不安を抱かせる。でも、それを承知で彼らはロマンを取った。何しろ、Nットーが動力に選んだのはラジコン飛行機の液体燃料エンジンなのだ。実は、自動車メーカーであるN産は動力にエンジンを選んでいない。理由は明白、効率が悪いからである。エンジンは単純に重い。出足の速さもモーターに劣る。

 だとしても、Nットーの走りには魅せられた。まず、音がいい。扇風機が「ブロロロローーンッ!」と唸りを上げ、煙を吐いて排気する姿といったら! こんな挙動の扇風機は初めて見た。“扇風機の違った一面”として圧倒的である。記録は9秒88でSライズに次ぐ2位に終わったが、芸術点は彼らの勝ちだと思う。原型を残したおかげで、“走る扇風機”という表現もしっくりくる。あと、Nットーの走りにN産チームが一際の熱視線を送っていたのも印象的な光景だった。エンジンだけに、なんだかんだ共感していたのかもしれない。

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