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NHK『魔改造の夜』大企業の技術力VS中小企業の底力! 扇風機が走り、赤ちゃん人形が綱を渡る

世界のN産は本当に斜に構えていたのか?

 今回の大本命はN産チームである。中小企業の底力と同じくらい、大企業の技術力を目の当たりにしたいのが『魔改造の夜』だ。彼らはある目的意識を持ってこの番組に臨んでいた。リーダーの福重孝志(東工大を主席で卒業!)が胸の内を明かしている。

「この会社は“ものを作る”会社です。経営陣のゴタゴタ(カルロス・ゴーンのこと)はありましたけど、『ものを作る力は衰えてないんだよ』って思えれば力になるし、勝ってみんなに勇気と希望を与えられれば」

 1回目の試技に向けN産が開発したのは、前後に割れた台座が安定度を高め、ピカピカと光りながら走るトランスフォーム式の扇風機だった。優雅なマシンだ。でも、速さを争うには無駄な機能。事実、スピードは3チームの中でこの扇風機が最も遅かった。

 タイムを狙う本命は2回目の試技まで取っておき、1周目は手の内を隠して遊んだということ? N産の姿勢は賛否両論巻き起こし、SNSでは非難の声が散見された。ゲストの伊集院も、8月16日放送『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)で「『スピードを重視しない』はダメ。勝って当然の自動車会社が斜に構えたら他の人たちに失礼」と、率直な意見を述べていた。

 しかし、筆者は“ものを作る力”にこだわる福重リーダーの言葉が頭から離れなかった。福重の脳裏にあったのは、「チームメイト全員にロマンを見せる」という目標だったのでは? だから、50m走としての最適解よりトランスフォームを優先したのではないだろうか。競技者としては斜に構えていたかもしれないが、人間としては斜に構えていなかった気がする。

 結果、N産チームの第1試技の記録は47秒82に終わった。そして2回目の試技は扇風機のモーターがオーバーフローを起こし、さらに往路で折り返しラインを超えなかったため、あえなく失格に。1作品に集中していれば、おそらくこんな結末にはならなかったと思う。第1試技の失敗を第2試技で修正するという流れを辿れたはずだ。つまり、彼らはめいっぱい攻めた。

 もちろん、大正義はSライズにある。競技にガチンコで向き合い、勝利をがっちり掴んだ優秀な企業。メーカーは結果がすべてだ。

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