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西武・辻監督の「辞任一転留任」報道に関係者失笑の理由

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どう落ち着くのか

 プロ野球・埼玉西武ライオンズの辻発彦監督が来シーズンも続投する可能性が浮上していることを12日から13日にかけてスポーツ紙などが一斉に報道した。一旦は今シーズン限りで退任すると報じられていたのが、話が二転三転する珍事。プロ野球関係者からは失笑が漏れている。

 2017年シーズンからチームの監督として着任した辻氏は、3年連続パ・リーグ4位以下だったチームをいきなりAクラスへと押し上げた。2018年には10年ぶりのリーグ優勝を実現し、翌2019年も2年続けてパ・リーグ制覇を成し遂げた。今シーズンも大きな期待がかかっていたものの、選手に故障者が続出した影響でリーグ5位に低迷。すでにクライマックスシリーズに進む道も断たれている。

 そんな折、一部スポーツ紙は、松井稼頭央2軍監督が来シーズンから1軍監督に昇格すると報道。現役時代から人気・実力共にあった人物だけに期待感も高まっていたが、ここにきて急転直下、辻監督留任の話が流れてきた。辻体制が継続された場合は、松井2軍監督が1軍ヘッドコーチに就き、帝王学を勉強するプランも浮上している。

 プロ野球関係者は「今年は北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督も退任、中日ドラゴンズも与田剛監督が辞任を申し出るなど、プロ野球界の勢力図が大きく変わる時期になった。ただ、辞任や退任から一転、留任となるケースは過去を振り返ってもあまりない。西武はここからチームが連勝記録を作っても日本一になることもできないし、報道のとおり話がころころ変わっているのなら、現場は大混乱している証拠にもなる」と状況を見守っている。

 これだけ振り回されて困るのは現場の関係者だろう。別のプロ野球OBは「監督が変わるか変わらないかによって、選手起用はもちろん、今なら2軍連中が集まっている宮崎フェニックスリーグの派遣メンバーや、来年2月の宮崎・高知でのキャンプメンバー振り分けにも響いてきます。選手は当然のこと、裏方も表立って口にすることは少ないでしょうけど、内心は『早く決まってくれよ』と焦っているのでは」と推測する。さらに、「ただ、球団やフロントとしての方針が一旦は出たのに、話が急転するのはやっぱり球団としては恥ずかしいこと」と失笑を隠さない。

 セ・リーグで同じ4位以下のBクラスの中日ドラゴンズは来シーズンから立浪和義氏に新監督を打診、受諾する流れができ、コーチ人事の組閣の話も報道されるようになった。準備を早くすればするほど組織としてまとまる時間も短く済む。西武球団の資質が問われている。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2021/10/19 17:00
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