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真剣勝負の場が台無し!? プロ野球「引退興行」の裏事情

真剣勝負の場が台無し!? プロ野球「引退興行」の裏事情の画像
斎藤佑樹(写真/GettyImagesより)

 早稲田実業高校、早稲田大学で「ハンカチ王子」として有名だった北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手が10月17日、札幌ドームで行われたオリックス・バファローズ戦で引退登板し、涙ながらにマウンドと別れを告げた。

 通常、引退登板といえば勝負がかからない試合で行われることが慣例なのだが、どうして公式戦で投げたのだろうか。

 パ・リーグ首位のオリックスは、1996年以来のリーグ優勝が目前。ただ千葉ロッテマリーンズも2位につけており、試合数や勝率の関係で1試合も負けられなかった。そんな大事な試合に斎藤は起用され、7回表に登板。打者1人に投げて、最後は四球で出塁させるとマウンドを降りた。今シーズン限りで退任が決まっている栗山英樹監督に肩を抱かれるとベンチで号泣。試合後はセレモニーも行われ、人気者の引退をファンと共に惜しんだ。

 先日も、セ・リーグの中日ドラゴンズに20年在籍し、2007年の日本シリーズ、対日ハム戦で8回パーフェクトピッチングで抑えた山井大介投手の引退試合が、本拠地のバンテリンドームナゴヤで行われた。だが、その相手はセ・リーグ首位で間もなく優勝に手をかける東京ヤクルトスワローズ。こちらは先頭打者1人に対しての登板で、結果は三振に終わった。

 プロ野球OBはこうした引退登板に疑問を呈する。

「チームにとって有形無形の貢献をした選手を華々しく送り出すこと自体は問題ないが、時期は考えないといけない。今回は中日、日本ハム共に、リーグ4位以下で優勝争いに加われず、相手チームはいずれも優勝争いをしている。変に気を遣わせるのではなく、来シーズンの開幕前のオープン戦で引退試合を実施することだって可能だったはず。真剣勝負の場に引退選手が出てくることは避けたほうがベターです」

 一方で、球団側にも事情があるようだ。

「新型コロナウイルスの感染状況により、球場は今でも満席にすることができません。入れられても最大で2万人を切る状況ですから、昨年ほどではないにしても売り上げも落ちています。しかも優勝争いをしていなければ消化試合になり、空席が目立つだろうことは容易に想像がつく。少しでも収益を上げるには引退試合やセレモニーを行うのが手っ取り早い。球団側のこうしたカネ事情と思惑が透けて見えます」

 球団のサイフ事情に現場が振り回されて久しいが、いつまでもこんなことをやっていては、長い目で見るとファン離れにもつながりかねない。プロ野球界はもっと真剣に課題に取り組むべきではないだろうか。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2021/10/22 07:00
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