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『関ジャム』が選ぶ年間ベスト曲の歴史。ヒゲダン、西野カナ、菅田将暉が1位を獲った理由

歌から流行語が生まれる可能性は、まだある?

 2017年にいしわたりが1位に挙げたのは、ヤバイTシャツ屋さん「かわE」であった。2018年公開の映画『ニセコイ』の主題歌になった曲だ。いしわたりが注目したのは超キャッチーなサビの歌詞である。

「君はかわE越してかわFやんけ! 魅力、溢れてこぼれるやんけ!
 恥ずかC越えて恥ずかDやんけ! 気持ちE越えて気持ちFやんけ!
 かわE越してかわFやんけ! 魅力、溢れてこぼれるやんけ!
 たのC越えてたのDやんけ! うれC越えてうれDやんかいな!!!!!」

 流行語が歌から生まれなくなったことを、いしわたりはずっと気にしているようだ。

「『○○E越えて○○Fやんけ』『○○C越えて○○Dやんけ』という言葉は日常生活で使えるシーンも多く、これが世間に広まれば音楽が流行語を取り戻す可能性を秘めた1曲だと思いました」(いしわたり)

 RCサクセション「キモちE」のエッセンスを受け取ったヤバTが「ぴえん越えてぱおん」的な構造で、現代的に新語を発明しようとした1曲。確かに、「恥ずかD」は言葉としては面白い。あと、いしわたりは作詞家として世の流れに敏感で、若い世代の新しいボキャブラリーを見ると応援したくなるところがあるように見える。

「もう1個言うと、昔はこういうふざけたとは言わないけど色物のバンドって誰かが『面白いんだよ、聴いてみて!』と言っても、自分で買うかって言ったら買わないし、レンタルしに行くかって言うとワンアクション多い感じがするんですけど、今って0円で聴けるので、むしろこういうもののほうがその場で聴いて盛り上がったりする。そう考えると、音楽の聴き方が変わったからこそ出てきたアーティストとも言えると思うんですよ」(いしわたり)

 褒めているようで、ハッキリと「買うほどじゃない」と言われるヤバT……。ただ、この志向性に可能性を感じるのはわかる。「こういうジャンルをヤバTが続けていって、いつか流行語大賞を獲ったら面白い」と、いしわたりは期待を寄せているようだ。

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