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『クイズ!脳ベルSHOW』城島茂ゲスト“しげるSP”実現! ますおか岡田圭右の偉大な仕切り

「TOKIOだった頃、私たちは忙しかった」(こまどり姉妹)

 泉谷だけでなく、番組そのものが異常事態になってきた。クイズ「名曲ハミング」に登場したのは、両者ともに御年84歳のこまどり姉妹(姉・並木栄子、妹・並木葉子)だ。2人が鼻歌でハミングしているのは何の曲か? を当てるクイズである。

 問題が始まると、なぜか平尾昌晃みたいな手付きで耳にヘッドフォンを当てた2人が、鼻歌で何かを歌っている。

「ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃん、ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃんちゃん」

 何もわからない。ちゃんちゃん言ってるだけで、とても曲名までたどりつけそうにないのだ。ひどい超難問クイズである(正解は、少年隊「仮面舞踏会」)。ちなみに、こまどりは城島にこんな印象を持っているそう。

――城島さんってご存知ですか?
葉子 「見てはいるんですけども、顔と名前が一致しなかったんで」
――TOKIOはご存知ですか?
葉子 「TOKIOさんは見てます」
――誰が1番好きでした?
葉子 「そうね、TOKIOさんのときは私たち忙しかったんでね?」
栄子 「そうそう」
葉子 「あんまり、名前は存じてないんですけどね。顔は見てますけど」

「TOKIOだった頃、私たちは忙しかった」の意味がわからない。しかし、こまどりが元気ならそれでいい。今や、2人の生存確認とも化した『脳ベルSHOW』出演だった。

 記憶力を問う「名曲振り付け」は、映し出されるダンスが何の曲かを当てるクイズ。ここで登場したのはKABA.ちゃんで、彼女が踊ったのはピンク・レディー「渚のシンドバッド」だった。踊りのキレは、やっぱりスゴい。さすが、振り付け師だ。何しろ、上京前は2歳下の近所の女性と“博多のピンク・レディー”を名乗り活動していたらしいのだから。

「私が“博多のミー”で、相手の女の子が“博多のケイ”。で、2人でピンク・レディーとしてやってたんだけど、ある日、ケイちゃんのお母さんとうちのお父さんが浮気しちゃって、うちの両親離婚しちゃいました。実話なんです」(KABA.ちゃん)

 クイズよりもエピソードが強すぎる。唐突に重い実話をぶっ込むKABA.ちゃん。切ないエピソードだし、これをカットしないのが『脳ベルSHOW』クオリティだ。高齢者向けの脳活性化番組と見せかけ、ガッツリのバラエティ番組である。

ますだおかだ・岡田圭右に改めてリスペクト

 実は、まだしげるがいる。クイズ「SPヒット歌謡」に登場したのは、松崎しげるだった。しげるにこだわる今夜の『脳ベルSHOW』が放つ“追いしげる”である。まさに、しげるのバーゲンセール。5人目のしげるは、芸能界一濃いしげるだった。そんな松崎が歌ったのは、名曲「愛のメモリー」だ。これには、全しげるが総立ち!

ところで、松崎はなぜしげるなのか?

「僕は昭和24年生まれでもう72歳になるんですけど、うちの親父の憧れの吉田茂さんから」(松崎)

 松崎家のしげるも、由来が吉田茂なのか! 5人のしげるのうち、4人のルーツが吉田茂だった。偶然とはいえスゴい。

 それにしても、しげるだらけで混乱する。ついには、早押し問題で斉木が回答権を得ると「はい、しげるさん!」と岡田が反応する始末だ。全員、しげるなのに。「あ、みんなしげるや。ごめんなさい」と訂正した岡田が疲れている。

 というわけで、栄えある“しげるスペシャル”の優勝は斉木しげるに輝いた。ただ、いつもの『脳ベルSHOW』かと思うほど城島の存在に違和感はなかったし、今回は彼の出演で正解だったと思う。いい意味で、普段通りの面白さだった。ぜひ、レギュラー回のほうにも出てほしいと思う。

 ただ、この中身の濃さにはさすがの城島も消耗した模様。グダグダに見せかけ、実は構成がしっかりした『脳ベルSHOW』である。収録後、城島は激しくぐったりしていた。

「24時間テレビのエンディングぐらいな気持ちです。走りきったな、というくらいの」(城島)

 1度の収録で24時間テレビと同等の疲労度があると評した城島。そう考えると、やはり注目はMC・岡田だ。城島は1本でこれなのに、岡田は一日に5本分も撮り溜めしているのだ。冷静に考えると、尊敬に値する。岡田は本当によくやっている。53歳にして体力は無尽蔵か? 

城島 「僕は今日、SPで1本やと。いつも、違うんですよね?」
岡田 「レギュラーは月曜から金曜のこういう感じを5本撮ってます、すいません」
城島 「で、その後の『スコーピオン!』?」
岡田 「その後の『スコーピオン!』。そうなんです、あの間違いは5本撮った後の疲れで、『スコーピオン!』をワケわからんタイミングでやって」

 岡田1人にかかる負担がえげつなさすぎる。でも、代わる代わるやって来るパネラー陣を岡田以外が回せるとも思えない。コロナ陽性で彼が不在だったとき、代役を立てず名場面集で乗り切った番組の判断は正しかった。『クイズ!脳ベルSHOW』で見る岡田圭右の腕は、地上波の明石家さんま並みである。

“しげるスペシャル”の最後は、同じ誕生日で同じ血液型(B型)の2人によるWスコーピオンで幕を閉じた。

「せ~の、スコーピオン! ……リーダー、本当ごめんなさい(笑)。以上でございます」(岡田)

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2022/03/29 18:00
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