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コア視聴率の敗北? シニア向け番組BS移行で視聴率絶好調の皮肉、地方局からは悲鳴も…

文=小林真一(こばやし・しんいち)

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『パネルクイズ アタック25 NEXT』BSJapanext公式サイトより

 テレビ業界で重要視されているのがコア視聴率だ。各局で具体的な数字は若干異なるものの、おおまかにいうと13~49歳の男女がどれだけ番組を見たかの数値を出す視聴率のことで、各局が対応に追われている。

「コア視聴率は大手広告代理店の電通と博報堂を中心に数年前から進められている指標となります。日本が少子高齢化しているとはいえ、基本的にTVCMでは化粧品や電化製品、自動車などの商品を若者や働き盛りの世代に向けてアピールしたい。そういった事情があって、局側も広告が取りやすいように、50歳以下の視聴者をメインに番組を作っていこうと大号令が出たんです。これまでは正直、そこまで明確に年齢のターゲットを考えながら番組作りをしてこなかったので、現場は大混乱していますが……」(民放関係者)

 最近、民放各局で、いくつかの長寿番組が終了。これも、コア視聴率対策の一環だと言われている。

「テレビ朝日系のクイズ番組『パネルクイズ アタック25』や、TBSの『噂の東京マガジン』が終了。BSに移行して放送が続けられることになりました。今後も各局で、シニアが好む番組がBSに移行すると言われています。TBSは、出演者、視聴者ともに高齢化の激しい『サンデーモーニング』も、BSに移す方向で調整を進めているようです」(民放関係者)

 民放だけでなく、NHKまで、人気の高かった『ガッテン!』や『バラエティー生活笑百科』の放送を終了する。次々とテレビから長寿番組が消え、若者向けの番組作りにシフトしていくことになる。

 そんな中で、意外な“逆転現象”が起きているという。

「BSの視聴者が増えているんです。視聴率が20%以上のお化け番組があるわけではないのですが、ジワジワと人気が高まっている。広告代理店にはシニア向けCMの問い合わせも多くなっていて、制作費が潤沢なBS番組もチラホラ出ています。BS番組のほうが地上波よりもギャラがいいと喜ぶ芸能人もいるとか。外部の制作会社からも、BS番組と仕事がしたいという声が多くなっています」(民放関係者)

 特に注目されているのが、通信販売大手のジャパネットが今年3月27日から放送を開始する「BSJapanext」だという。

「BSJapanextでは、『アタック25』の後継番組となる『パネルクイズ アタック25 NEXT』をABCテレビと共同で制作します。今後はオリジナル番組も多く制作していく予定のようで、テレビ関係者の間で注目されています。中には、民放のテレビ局から転職するスタッフもいるとか。さらに、民放各局もBSに力を入れ始めていて、面白くてセンスの光るBS番組が増えている。コア視聴率の獲得という至上命題のもと、他にもさまざまな制約でがんじがらめの地上波番組よりも、オリジナリティのあるBS番組を作りたいというテレビマンは多くなっています」(民放関係者)

 そんな状況に危機感をつのらせているのが、地方の民放テレビ局だという。

「東北などの地方局では、最も収益が高い地元企業CMの多くが葬儀屋などシニア向けのものばかり。なので、シニアが好んで観る長寿番組が終わっていくことで、収益の悪化が予想されています。予算がないので自社番組も作れず、キー局が作るコア視聴者に向けた番組をしぶしぶ放送するしかない状況です。さらに、大口の広告主として地方局に予算を投じていたジャパネットがBSJapanextを立ち上げたことも大きな問題に。今後、BSJapanextが好調なら地方局へのCM出稿を減らすと言われているからです。すでに次の決算で赤字が確実になっている地方局もあり、来年以降は民放系列局の倒産という前代未聞の事態も現実的にあり得るのでは」(民放関係者)

 若者がYouTubeやNetflixを好んで観ている中で、確実に衰退していくテレビ産業。コア視聴率を必死に上げたところで、そもそも視聴者が少ないのならば本末転倒というよりない。いっそのこと、シニアだけにターゲットを絞った局があってもよさそうだ。

小林真一(こばやし・しんいち)

小林真一(こばやし・しんいち)

出版社、IT企業、テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

最終更新:2022/02/24 13:00

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