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アンガールズ田中、業界内評価は高いのに…初のゴールデン帯MC番組が苦戦のワケ

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『呼び出し先生タナカ』番組公式サイトより

 アンガールズの田中卓志がゴールデン帯で初のMCを務める『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)が4月24日にスタートしたが、早くも暗雲が立ち込めている。初回3時間スペシャルの平均世帯視聴率は6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と振るわず、同時間帯の放送枠で最下位となったのだ。

 同番組は、担任のタナカ先生(田中卓志)と「副担任」のハセガワ(シソンヌ・長谷川忍)がさまざまな生徒ゲストを呼び出し、“指導”するという「お笑い教育バラエティ」。初回放送では、三田寛子、野々村真、ふぉ~ゆ~の辰巳雄大、宮下草薙の草薙航基、トラウデン直美らが生徒として出演し、彼らが受けた国語、数学、英語などの学力テストの珍回答を講評しながらテストの結果を順位ごとに発表していく様子が放送された。

 低視聴率の一方で、その番組内容がかつて同局で放送されたバラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』の人気企画「抜き打ちテスト」シリーズに似ているとしてSNS上で騒がれたが、バラエティ番組を手掛ける放送作家はこう語る。

「新番組がひと昔前に放送されていた人気番組の企画とソックリだったり、オマージュしていたりなんていうのはテレビ業界ではよくあることです。まして『めちゃイケ』は同じフジの番組ですし、『呼び出し先生タナカ』の総合演出が『めちゃイケ』の元ディレクターなのは周知の事実。『勉強と笑いを融合したお笑い教育“一斉テスト”バラエティ』という番組コンセプトからも、放送前から内容は何となく想像がついたでしょう。

 そもそも、田中が“先生”となってタレントを指導するという構図自体は、業界視聴率の高い『ゴッドタン』(テレビ東京系)で人気企画として定着している『アンガ田中の勝手にお悩み先生』シリーズにヒントを得たものでしょう。まぁ、“パクリ疑惑”がここまで話題になるのはある意味、田中さんの新番組への世間の注目度の裏返しでもある。これで肝心の視聴率がついてくればよかったんですが……」

 『呼び出し先生タナカ』が放送される日曜21時の枠は、『行列のできる相談所』(日本テレビ系)や日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)など他局の人気番組と競合しており、そもそもが厳しい戦いを強いられる時間帯だとの見方も業界内ではあるようだが、その一方でフジの局内からは「正直言って、『あの田中さんでもダメなのか……』といった落胆の声も多いです。田中さんの業界内での評価は、世間が思っている以上に高いですからね」(番組制作会社スタッフ)といった声も上がっているという。

 田中といえば、数多くのテレビ番組やラジオ番組で活躍する売れっ子芸人だ。

「MCを務めるケースこそ少ないものの、どの番組でも2番手・3番手として非常に重宝されています。その場で求められている役割を瞬時に察知し、ボケ役に回ることもあればツッコミも得意ですし、MCをサポートする裏回しもできる。ダウンタウンの松本人志さんや有吉弘行さん、坂上忍さんなど、“東西”や所属事務所、番組内容を問わず、大物MCたちから重宝されていることからもその能力の高さがわかるでしょう。『アメトーーク』(テレビ朝日系)の人気企画『お笑いドラフト会議』でも、昨年3月の2021年版ではタカアンドトシのトシが1巡目に田中の名前を出し、『ここ数年の田中の“お笑いご意見番”的な、みんな思ってる事を理論的に言葉にして説明してくれるお笑いIQの高さっていうのはさらに見直されるべき』『それでいて原始的な笑いの取り方もできる』と絶賛していましたよね」(前出の放送作家)

 かつては“キモカワ”キャラで人気を集めたが、今では“キモ”キャラと、ハイスペックな素顔を番組ごとに器用に使い分けている。ここ数年の「お笑いを語る」ブームを牽引してきた存在でもあり、『THE W』などの審査員を務めるほか、ワタナベコメディスクールで「お笑い芸人・バラエティ番組論」の特別講義を担うなど、知性派としても存在感を示している。

 長年にわたって売れっ子芸人の地位をキープしている田中だけに、フジサイドの期待は想像以上に大きかったようで、ロケットスタートの失敗にショックを隠せない関係者も多いようだ。

 もっとも、当然のことながら『呼び出し先生タナカ』の成否は田中の今後にも多大な影響を及ぼすことになるという。

「最近だと有吉さんが良い例ですが、芸人はどんなに売れっ子でも自分のMC番組や冠番組を持たないとなかなか収入は上がらないし、安定もしません。MC仕事や冠番組は、CMにもつながりやすいですからね。しかし、ゴールデン帯のMCを担当できるのは芸人として大きなチャンスである反面、その番組がコケると『○○は人気や実力はあるけどMC向きではない』といった印象を業界全体に与えかねず、一度そうした烙印を押されると復活するのはなかなか難しいところです」(同放送作家)

 『呼び出し先生タナカ』はまだ始まったばかり。ここから盛り返していけるかどうかは田中の腕にもかかってくるところだろう。

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大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2022/05/15 06:00
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