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高橋一生の“バディ祭り”な『インビジブル』 桐谷健太“猿渡”とはどんな表情を見せるか

高橋一生の“バディ祭り”な『インビジブル』 桐谷健太“猿渡”とはどんな表情を見せるかの画像
高橋一生演じる志村と桐谷健太演じる猿渡(ドラマ公式サイトより)

 高橋一生が主演するTBS系金曜ドラマ『インビジブル』が残り2週で最終回を迎える。先週放送の第8話では、「インビジブル」キリヒト(永山絢斗)と、それに対する志村(高橋一生)をはじめとした警察の人間とキリコ(柴咲コウ)の攻防が描かれた。

 事故死に見せかけて殺された上司の犬飼課長(原田泰造)を手にかけたクリミナルズ(凶悪犯罪者)と、キリヒトに通じている警察内部の“内通者”とは誰なのか、明らかにされないまま終わった第8話。今夜放送の第9話は最終回直前となり、いよいよ真実に肉薄してくることが予想されるが、それよりも予告動画で視聴者を沸かせたのは、「志村&猿渡がバディ結成‼︎」というキャッチコピーだ。

 監察官である猿渡(桐谷健太)は、“犯罪コーディネーター”を名乗るキリコと暴走しがちな志村を「監視」する立場だったが、第8話で犬飼に代わり捜査一課の指揮を執ることになると、本領を発揮。副総監が隠蔽していた息子の罪をメディアに暴露するという大胆な手段を取り、「犬飼課長ならきっとこうしました」「それに、前からあの副総監は嫌いでして」と男気溢れる発言で株を上げていた。

 いつも冷静な面持ちを保つ猿渡だが、第2話ではキリコから「なんであなたも彼にこだわるの?」と志村への執着を指摘されており、視聴者のあいだでは「志村への愛が重すぎる」という感想も散見されていた。

 特にキリコの正体が明らかになっていない第4話までは、志村の乱暴な捜査の尻拭いをしながら、二人の関係を執拗に追及する猿渡の姿が「尽くしても尽くしても本命になれない幼なじみみたい」などと揶揄されていた。そんな猿渡が、紆余曲折を経て志村と信頼関係を結び、仮にも“バディ”の座を射止めたことに胸を熱くする視聴者は多かったというわけだ。

 『インビジブル』を振り返ってみると、ドラマの旨味のひとつは高橋一生演じる志村をめぐるさまざまな“バディ(相棒)”のかたちにあった。

 『インビジブル』はもともと「刑事×犯罪コーディネーター」という触れ込みで、高橋一生と柴咲コウ演じるふたりの異色のバディをウリにしていた。常に険しい表情の志村と、ミステリアスだったキリコのヒリつくようなバディはもちろん魅力的だったが、時折挿まれる3年前の相棒・安野(平埜生成)との心温まるシーンでは、現在は想像できない柔らかな笑顔を見せていた志村。第3話で後輩の磯ヶ谷(有岡大貴)が捜査ミスを挽回したいと申し出た際も、困難を切り抜ける先輩としての一面を見せていた。志村は組む相手によってさまざまな表情を見せており、そんな高橋一生を堪能するには格別のドラマだったと言える。

 物語において“バディもの”というジャンルは、分かりやすくウケがいい。特にサスペンス系において、「探偵と助手」や「警察組織で行動をともにするペア」にスポットライトを当てる設定はありがちだ。事実、金曜ドラマにはここ数年でも『MIU404』『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』など“バディもの”作品は複数あり、次クールの金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』も中村倫也と有村架純の凸凹コンビを謳った“バディもの”といえる。しかし今回の高橋のように、一人の人間が次々とバディ変え、それぞれの魅力を味わえる作品はそれほど多くはない。

 いずれにせよ、満を持しての「志村&猿渡」バディの誕生だ。相棒を失って以降は一匹狼だった志村が、最終回では誰とどんな表情を見せるのか、ぜひ見届けていきたい。

■番組情報
金曜ドラマ『インビジブル』
TBS系毎週金曜22時~
出演:高橋一生、柴咲コウ、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、堀田茜、谷恭介、大野いと、平埜生成、板垣李光人、西村元貴、結城モエ、田中真琴、村井良大、酒向芳、原田泰造、桐谷健太
脚本:いずみ吉紘、槌谷健、香坂隆史
主題歌:「Tiny World」Dragon Ash(Victor/MOB SQUAD)
音楽:得田真裕
プロデューサー:佐藤敦司、浅野敦也
編成:東仲恵吾、佐藤美紀
演出:竹村謙太郎、棚澤孝義、泉正英
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/invisible_tbs

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東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/06/10 19:00
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