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ジャニーズ事務所“タッキー派”と“ジュリー派”で揺れるテレビマンの本音「新しい地図を使いたいから…」

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現在は子会社「ジャニーズアイランド」の社長も務める滝沢秀明

 これまで数多くのアイドルグループを生み出してきたジャニーズ事務所だが、今のところその“最高傑作”と呼べるのは、国民的人気を得たSMAPと嵐だろう。

 かつて、SMAPはマネージャー・飯島三智氏の敏腕プロデュースでスターダムにのし上がり、対する嵐は、現事務所代表・藤島ジュリー景子氏が手塩にかけて育てたグループだ。

「まだSMAPが健在だった頃は、各テレビ局に“ジャニー派”と“ジュリー派”の担当者がいたものです。それぞれプロモーションの方針が違うので、起用方法などは逐一打ち合わせをしながら決めていました。2019年にジャニー喜多川氏が亡くなってからは、それまではジャニー氏が育ててきたKinKi KidsやSexy Zone、King & Princeなどもジュリー氏の管轄に。ただ、基本的に現場に出ないジュリー氏は全てのタレントを詳しく把握しているわけではなく、方向性を失って低迷する時期もありました」(民放関係者)

 生前にジャニー氏が起こした“改革”が、経営陣に滝沢秀明を迎え入れたことだった。

「一部では『タッキーはジャニーさんのお気に入りだから』という陰口も聞こえていましたが、実際はジャニー氏が帝王学を授け、滝沢を経営者としてしっかり育てていました。ジャニー氏とジュリー氏はタレントの売り方で衝突することも多く、特にJr.に関する考え方は大きく違った。そこで、ジャニー氏は今まで自分が見てきたグループのプロデュースと共に、Jr.の育成を滝沢に託し、関連会社『ジャニーズアイランド』を任せたんです。ジュリー氏はJr.に関しては放任主義でしたが、滝沢はJr.の『22歳定年制』や『スキャンダルのご法度』など、育成に関するルールをまとめることになります」(スポーツ紙記者)

 ジャニー氏の意志を引く継ぐ滝沢とジュリー氏は、一見すると関係性は良好そうながらも、経営者としては意見がぶつかり合うことも多いという。

「“タッキー派”という概念がテレビ業界で認識され始めたのは、SixTONESとSnow Manがデビューしてからです。どちらも下積みが長いグループですが、Snow Manは現時点での滝沢プロデュースの最高傑作とも言われる。SixTONESは、ジュリー氏がこれまで嵐やTOKIO、KAT-TUNを育ててきた中で、正統派アイドルからお笑いもでき、ワイルドな雰囲気もあるなど“幕の内弁当”のような美味しいグループに仕上げた。このジャニーズ事務所の未来を支える両グループの誕生で、テレビ業界は“ジュリー派”と“タッキー派”の担当者を作ることになったんです」(民放関係者)

 そんな中、テレビ業界が困惑しているのが、“辞めジャニ”の扱いについてだという。

「ジュリー氏はビジネスマンとしての考えを強く持っていて、辞めジャニも自社の利益になるなら活動を容認する方針です。中居正広が独立してからも芸能活動が好調なのも、一部をジャニーズ事務所と提携する形で仕事を進めているから。逆に、滝沢は山下智久の活動に関しては、これまで度重なる女性トラブルを起こしていることもあり、規律が乱れるからと大手を振って認めてはいないそうです。こういった部分で、裏では2人がぶつかり合うことが最近多くなっているようです」(民放関係者)

 こうした状況下で、調整に四苦八苦しているテレビ関係者は多いようだ。

「嵐の再結成が絶望的な中で、今後はSixTONESとSnow Manを各テレビ局が取り合うことになる。両グループ共にドラマからバラエティまでなんでも対応できるので、どうやって差別化しながら番組の提案をするかは頭を悩ませるところですね。また、ジュリー氏は、かつて遺恨のあった元SMAPマネージャーの飯島三智氏と“電撃和解”したという話もある。制作サイドとしては、元SMAPの3人からなる『新しい地図』をぜひとも起用したいので、ジュリー氏への営業が活発化しています。そういった事情もあって、“ジュリー派”のSixTONESメンバーをテレビ番組で使う機会が増えているんです」(民放関係者)

 長らくテレビ業界を牛耳ってきたジャニーズ事務所。SixTONES、Snow Man双方のファンとしては複雑だが、こうした内部事情も込みでジャニーズのお家芸といえるのかもしれない。

小林真一(フリーライター)

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち

最終更新:2022/06/29 08:00
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