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たった2曲で3000万回再生…オール日本人“K-POP”ガールズグループ「XG」の衝撃

文=加賀美ジョン(かがみ・じょん)

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公式サイトより

 クールで“強め”な印象の女性7人組。XGという新進ガールズグループが今、大きな注目を集めている。

 今年3月に「Tippy Toes」でデビューしたばかりの彼女たちは、6月29日に新曲「MASCARA」を発表。翌日には韓国の人気音楽番組『M COUNTDOWN』に出演してパフォーマンスを披露したが、これが初のテレビ出演だった。彼女たちが出演した映像が、チャンネル登録者数1980万人を誇る同番組のYouTubeチャンネルで公開されると、あっという間に100万回再生を突破。7月18日時点で160万回に迫る勢いだ。無論、新人としては異例の反響だろう。

 さらに彼女たちは次々と韓国の音楽番組に露出し、『Music Bank』『THE SHOW』での出演映像も軒並み100万回を超える再生回数を叩き出している。「Xtraordinary Girls」――非凡で特別な女の子たちという名前どおりの活躍だ。

 ……と聞くと、なんだまた新しいK-POPグループか、と思われるだろうが、彼女たちは全員が日本人で、エイベックス出身という点がポイントだ。

 このグループは元々、エイベックス・マネジメントが中長期的な視点で世界で活躍するスター育成にのぞんだプロジェクト「X-Galaxy」から誕生した。ここからは現・Kep1erのヒカルも輩出されている。XGがデビューに先駆けて今年2月に公開した、これまでの道のりをまとめた「The Journey(2017-2022)」という37秒の映像でも候補生時代のヒカルの姿が確認できる。

 2017年から時間をかけて育成された彼女たちは、今年1月からXGとして本格始動。YouTubeチャンネルにメンバー個々のダンス動画を公開したところ、そのハイレベルなパフォーマンスが注目を集め、続けてラップ、歌唱動画などを公開して期待感を高めていき、3月18日に満を持してデビュー曲「Tippy Toes」を発表した。ミュージックビデオの再生回数は、公開4週間後の4月8日には1000万回を突破し、7月18日現在ではなんと1800万回を超えている。続く「MASCARA」は、まだ発表して3週間も経たない中、1300万回再生超えだ。韓国の大手芸能事務所に所属しているというわけでもないのに、たった2曲で累計3100万回以上。間違いなく今もっとも注目されている新星ガールズグループのひとつだろう。

 公式には「HIPHOP/R&Bガールズグループ」と銘打っているXGだが、SpotifyではK-POPの新曲を紹介する公式プレイリスト「K-Pop Fresh」にピックアップされるなど、K-POPとして認識されている面も強くある。実際、エイベックスがかつて日本で共同レーベルを立ち上げるなど関係の深かった韓国の大手・YGエンターテインメント(BIGBANG、BLACKPINK、TREASUREなど所属)が関わっているのではないかとの憶測も広がったほどだ。ダンス動画などがYG傘下のスタジオで撮影されていたことがこうした憶測のきっかけとなったが、YG側はXGには関わっていないと否定のコメントを出している。

 「X-Galaxy」は、BLACKPINKのようなガールクラッシュ系グループを生み出すことを目標としていたとされており、K-POPシステムで育成された彼女たちのルックス、パフォーマンスなどがK-POPの流れにあることは否定できないだろう。一方で、エイベックスの松浦勝人会長はXGについて「K-POPぽくはない」「アメリカっぽい」と発言していたというが、一理あると言える部分もある。

 XGが発表している楽曲は現時点でいずれも全英語詞なのだ。当初からグローバル市場を睨んだグループなのだから必然ではあるだろう。加えて、プロデューサーの存在だ。彼女たちは、エイベックス資本で設立されたXGALXというレーベル/マネジメント所属だが、このXGALXを指揮し、彼女たちの楽曲を手がけているのは、韓国人の父親と日本人の母親を持ち、アメリカで生まれ育ったJAKOPS。かつてDMTNという韓国ボーイズグループの一員としてデビューした経験のある元アイドルで(当時はサイモン)、2015年にはJakop名義で、元AFTERSCHOOLのレイナらをゲストに迎えたソロ曲「Allday Allnight」も発表している。このソロ曲からも顕著なように、XGのプロデューサーは、アメリカのメインストリーム音楽、とりわけR&Bやヒップホップに強く影響を受けているようだ。現在話題沸騰中の「MASCARA」も、メーガン・トレイナーの2016年ヒット「Me Too」に似ている部分も少なくない。そもそもK-POP自体が、アメリカのメインストリームやトレンドを巧みに取り入れ、独自に発展させてきたという側面がある。

 日本と韓国にルーツを持ち、アメリカで生まれ育ったJAKOPSの采配によって、XGは「全員日本人だが、K-POP的で、かつ全米チャートを狙う」という特異なグループとなっている。韓国の音楽番組をテレビデビューの場に選んだことは結果的に大きな注目を集めるきっかけとなったが、一方で“日本人がK-POPシステムを利用している”という批判の声も出ている。J-POPでもK-POPでもない「X-POP」を目指すというJAKOPSの青写真は、理解されるまでにまだまだ時間がかかりそうだが、すでに成功を収めつつあるのは間違いない。そして国内需要がすっかり飽和状態となっている日本のアイドル市場の新たな道を示す可能性も秘めている。

 7月15日には「MASCARA」がSpotifyの日本国内デイリーチャートでトップ20入りを果たすなど、本邦でも急速に注目度を上げているXG。“日本資本のK-POPガールズグループ”はこのまま世界に羽ばたいていけるだろうか。

加賀美ジョン(かがみ・じょん)

加賀美ジョン(かがみ・じょん)

洋邦問わず、音楽にまつわる編集・ライティングで十数年。クレジットを眺めるのが趣味。

最終更新:2022/07/19 13:10

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