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NEWS増田“梅屋敷”の変化と福山翔大の熱演に心を打たれる『オールドルーキー』

文=東海林かな(しょうじ・かな)

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Paravi配信ページより

 TBS系日曜劇場『オールドルーキー』の第7話が8月14日に放送された。元サッカー日本代表の新町亮太郎(綾野剛)がスポーツマネージメント会社・ビクトリーで「第2の人生」を模索する本ドラマ。第7話は、パリ・パラリンピック日本代表候補の車いすテニス選手・吉木修二(福山翔大)をめぐり、新町や同僚の深沢塔子(芳根京子)、梅屋敷聡太(増田貴久/NEWS)らビクトリーの面々が奮闘するストーリーだった。

“若い頃の高柳社長”が垣間見えた第7話

 世界ランキング12位、国内4位の成績を誇るトップアスリートの吉木は、富島印刷という会社に社員として所属しているものの、世界中で行われる大会に出場するには、富島印刷の援助だけでは足りない。そのため、ビクトリーにマネージメントを依頼しに来た。

 しかしパラアスリートのマネージメントはビクトリーにとって初の試み。ノウハウがない上に、吉木の知名度は低く、ビジネスとして成立しづらいことも懸念される。社内に諦めムードが漂う中、立ち上がったのは意外にも梅屋敷だった。「ビクトリーの理念は『すべてのアスリートにリスペクトを』ですよね。この『アスリート』には当然、パラアスリートも含まれるはずです」と、いつになく熱を帯びた言葉で、社長の高柳雅史(反町隆史)を説得。ともに吉木のプレーを共に見た新町、塔子も、ビクトリー所属に賛成だと梅屋敷の思いを後押しし、高柳社長は吉木のマネージメントを承認する。

 しかし、ここからが苦難の始まりだった。吉木のスポンサーを獲得すべく営業に周る3人だったが、パラスポーツの知名度の低さから会社の宣伝にならないと交渉は難航を極めてしまう。さらに吉木は、競技用車いすを無償で提供してくれている「OXエンジニアリング」から、現世界ランキング1位の選手が使用しているのと同じ「ツバメ技研」の車いすに乗り換えたいと言い出す。それは、長年にわたってともに歩んできたOXエンジニアリングのメカニック・矢部浩一郎(津田健次郎)との関係を断ち切り、ライバル企業の製品に乗り換えるということを意味する裏切り行為だった。

 非情にも見える吉木の決断。しかしそこには、なんとしてでも結果を出さなければならないという焦りがあった。OXエンジニアリングの長年の信頼を裏切る行為を咎める新町たちに、「僕が簡単にこんな決断をすると思いますか?」「次の大会で負けたら……人生終わりですから」と語る吉木。「そんな、終わりって……」と反論しようとする新町に、吉木は涙を流しながら「健常者のアスリートなら、競技生活を終えても次の選択肢はたくさんあるだろうけど。僕たちは……僕たちは……比べものにならないくらい限られてるんです」「だからパラスポーツを知らない人たちにも知ってもらえるぐらい強くならなきゃ、僕のセカンドキャリアはないんです」「勝つためなら僕は何でもやります。矢部さんに遠慮してるわけにはいかないんです」と切々と訴える。吉木もまた、かつての新町と同じく、あるいはそれ以上に、自身のアスリート人生に終わりが近づいていることに焦り、セカンドキャリアをうまく思い描けず苦悩するアスリートの一人だった。

 スポンサー獲得がうまくいかない3人は、所属する富島印刷に援助の増額を申し出るが、富島印刷の社員・前岡浩志(アインシュタイン・河井ゆずる)は「あくまでボランティア」「僕がやめる言うたらいつでもやめることできるんですよ」と高圧的な態度で断る。八方塞がりの3人。そんな彼らを救ったのは、高柳の言葉だった。「やはり、パラアスリートのマネージメントは難しいかもしれないな」と言い出した高柳に、梅屋敷が「待ってください社長。吉木さんに関しては長期的に考えるということになったじゃないですか。社会的意義とか、会社のイメージアップとか……」と食い下がる。すると高柳は「そこが間違ってんじゃないか」と指摘する。「吉木君のプレーを私に熱く語ってくれた君たちは、普通のアスリートのすごさを語る時と何も変わらなかった。だから私はゴーサインを出した」「吉木君がパラアスリートだという概念は捨てろ。本当の意味で彼をリスペクトしろ。君たちが変わらないと、相手に熱意が伝わらない」。ビクトリーの古株社員・葛飾吾郎(高橋克実)が以前に語っていた、“若い頃の社長”の一面が垣間見えたシーンだったのではないか。普段の打算的な振る舞いに隠れてはいるが、マネージャーとしての流儀はいまも生き続けていることは間違いないだろう。

 高柳の助言に目が覚めた3人は、社会的意義を訴えるのではなく、あくまでトップアスリートとしての吉木を売り込むよう注力するようになり、一度は交渉を断られた会社の社長に「前向きに考えたい」とチャンスをもらう。「パラアスリートは特別なものじゃありません。アスリートの努力や闘志や勝利への喜びはどのスポーツとも何ら変わりないんです」「もし吉木さんを応援してくださるのであれば、一人のアスリートとして向き合ってください。決してボランティアのような気持ちでスポンサードしようと思わないでください。そうすれば必ず、吉木さんはそれ以上の何かを御社に返してくれるはずです!」という梅屋敷の熱いプレゼンが実り、スポンサー契約が決定。

 さらに吉木はここにきて、「矢部さんの車いすのほうがしっくりくる」と言い出す。戸惑う3人だったが、「アスリートにとって『しっくりくる』って、もうとっても大事なことなんです」という新町の言葉、そして吉木が頭を下げて頼み込むのを受けて、OXエンジニアリングに話に行くことに。OXエンジニアリング側は怒り心頭だったが、「自分の体の一部になってくれなかった」との理由を聞いた矢部は、「謝る必要はない。俺にだってな、誰よりもお前のことを分かっているっていうプライドがあるんだ」と言い、吉木の以前のオーダー通りの車いすを既に仕上げていた。「まだ何か直したいところがあれば、遠慮なく言え。日本オープンギリギリまで粘ってやる」と笑顔を見せる矢部の漢気に、SNS上では「アスリートを本当に理解している」「寛大で誠実な姿に大泣き」と感動の声が上がった。

 こうして吉木は万全の体制で、車いすテニス日本オープンに挑戦。惜しくも優勝を逃したが、決勝では世界ランキング1位の選手相手に大接戦を繰り広げ、世界ランキング8位に。新たなスポンサー候補も出てくるなど、選手として新たなスタートを切ったのだった。

本物の選手からも絶賛された福山翔大の熱演

 今回は“梅屋敷回”だった。吉木のマネージメントに熱心だったのは、下半身不随となってテニスを諦め、学校にも行かなくなった姪っ子・桜(池端杏慈)に前向きになってもらうためだった。吉木の試合を見た桜が「(試合用の)車いす買って」とお願いした時には、梅屋敷は思わず涙。秘書の真崎かほり(岡崎紗絵)が「梅屋敷さん、何だかずいぶん変わりましたね」と話していたように、これまではアスリートと向き合って関わるということを避け、ビジネス優先の姿勢を見せていたが、新町の影響を受けてアスリートファーストの精神に目覚めたようだった。

 だが見どころは他にもたくさんあった。梅屋敷の変化に「新町君の影響か」と言っていた高柳社長は、必ずしも「いいこと」とは受け止めてはいない様子だったが、一方で梅屋敷・新町・塔子の3人にスポーツマネージメントの金言を語り、彼らを導いた姿は重要なシーンだっただろう。

 しかし今回、もっとも活躍したのは、やはり車いすテニス選手の吉木を熱演した福山翔大ではないだろうか。主演・綾野剛にとって事務所の後輩だが、相当な練習を積んで車いすテニス選手としての説得力を手にし、視聴者の中には本物の選手と勘違いした人も少なくなかった。ドラマにも登場した東京2020パラリンピックの金メダリスト・国枝慎吾選手からも「あの短期間であそこまで出来るのは役者さんの凄さを目の当たりにしました!」との絶賛されている。そしてその説得力ある動きを身につけたからこそ、吉木が感情を爆発させる場面での熱演が胸に刺さるものになった。福山本人も手応えを感じたのだろう、Instagramのストーリーズで「吉木修二という役が今後のライバルになりそうです」との感想を綴っていた。今後のさらなる飛躍が楽しみだ。

 8月21日放送の第8話では、田辺桃子が日本バレーボール界のトップ・古川舞役で、大谷亮平が舞のチームのアシスタントコーチ・宮野紘也役でそれぞれ登場する。アスリートの気持ちを一番に考えたい塔子と打算的な命令を下す高柳との衝突や、新町の妻・果奈子(榮倉奈々)のセカンドキャリアが軌道に乗ってきたことで変わりゆく新町家など、ようやく築かれてきた土台が揺らぐような回となりそうだ。はたして、第8話で高柳はビクトリースタッフにとっての壁となるのか、はたまた新町たちがマネージャーとして一皮むけるための起爆剤となるのか、要注目だ。

■番組情報
日曜劇場『オールドルーキー
TBS系毎週日曜21時~
出演:綾野剛、芳根京子、中川大志、岡崎紗英、増田貴久、生田絵梨花、稲垣来泉、泉谷星奈、高橋克実、榮倉奈々、反町隆史 ほか
脚本:福田靖
音楽:木村秀彬
主題歌:King Gnu「雨燦々」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
協力:Jリーグ、公益財団法人 日本サッカー協会
サッカー監修:大久保嘉人
料理監修:Mizuki
編成:東仲恵吾、高橋秀光
プロデュース:関川友理、松本明子
演出:石井康晴
製作著作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/OLDROOKIE_tbs/

東海林かな(しょうじ・かな)

東海林かな(しょうじ・かな)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

最終更新:2022/08/21 12:00

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