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昭恵夫人、おもしろうてやがてかなしき……安倍晋三元首相の亡き後は

昭恵夫人は今後、どうするのか?

 ニューズウィーク日本版でトバイアス・ハリス(米シンクタンク「アメリカ進歩センター」上級フェロー)が、安倍元首相について論じている。

――党と教会の関係に対して世間の目が厳しくなる以前から、国葬という扱いに対する支持は高くなかった。

 葬儀は政治家・安倍晋三のキャリアを締めくくるものだが、そのキャリアには絶えず物議を醸す要素があった。国葬扱いの是非をめぐって世論が二分されたのも、とかく分断を招きがちだったこの政治家にふさわしいのかもしれない。

 安倍は日本の外交・安全保障政策を根本から変え、コンセンサス(合意)重視の日本政治に「数の力」で押し切るスタイルを持ち込み、トップダウンの指導体制を確立しようと努力した。だが、そうした新しい政治の在り方が必要な理由を、主権者たる国民に納得させることはできなかった。

 つまり、統一教会の問題で国葬反対の声が高まったのは事実だが、日本国民の間にはずっと以前から、政治家・安倍晋三に対する賛否両論が渦巻いていたと言える。
(中略)

 平和志向と冷戦志向。戦後の日本には、この2つの相異なるビジョンがあった。そして1952年の独立回復後の10年間、両者の間では時に激しい衝突が起きた。

 そしてその年月の間に、当時の首相・吉田茂(戦後初めて国葬の栄誉を受けた人物だ)とその陣営が、その後長く続くことになるコンセンサスを形成した。日本の最優先課題は経済成長であり、日本は軍備を軽くしてアメリカと密接な同盟関係を保ち、平和憲法を維持するという合意だ。

 安倍の祖父・岸信介は、自民党内にあって戦後コンセンサスにいら立ちを覚える反主流派の旗手だったが、冷戦時代にそれを覆すことはできなかった。だが孫の安倍は冷戦終結後に政界入りし、戦後世代の保守派政治家を率いて、祖父の果たせなかったミッションを完遂しようと決めた。

 安倍は、このビジョンの追求が必ずしも国民に支持されるとは思っていなかった。しかし、それでも変化の必要性を信じて突き進んだ。

 安倍の率いる連立与党が2012年、2014年、2017年の総選挙を続けて制したのは事実だが、これら選挙の投票率はいずれも戦後最低水準だった。(中略)

 つまり、安倍は選挙に勝ち続けたが、大多数の日本人に支持され、あるいは愛されていたとは言い難い。

 いわゆる「戦後レジーム」とその象徴としての憲法が今も日本人に支持されているのか、あるいは安倍の強引で、時に独裁的な政治手法(数の力で押し切る議会運営や、批判に耳を貸さない姿勢)が嫌われたのかはともかく、安倍は決して人気のある指導者ではなかった――

 そしてこう締めくくる。

――安倍は一貫してアジアや世界各国との関係強化に努め、21世紀の新たな脅威に立ち向かう日本の安全と繁栄を守ろうとしてきた。そういう人物の国葬に世論の強い反対があるという事実を、岸田をはじめとする日本の政治家は真摯に受け止めるべきだ――

 さて、夫に先立たれた安倍昭恵(60)が今後どうするのか? ほとんどの国民にとって関心はないだろう。

 3位のニューズウィーク日本版の安倍論、第1位の文春の安倍の光と影もそうだが、最後の安倍・昭恵論になるのではないかと、私は考える。

 昭恵については新潮が詳しい。

 昭恵は、夫の国葬を、「政治的行事と割り切っている」と安倍家を弔問に訪れたさる関係者がいっている。

 昭恵の住んでいる土地と建物は安倍晋三の所有ではないから、相続はできない。

 義母の洋子の介護をしながら、その後は、安倍の本籍地である山口県油谷に移住するのではないかという。

 そこを安倍の記念館にするという構想もあるそうだ。

 そうした準備のためか、神田につくった居酒屋『UZU』を10月に閉めるという。ちょうど今年で10周年だそうだ。

 来年春に行われる安倍晋三の地元の補選に、彼女が出馬する気持ちはないという。

 おもしろうてやがてかなしき……。彼女のここまでの人生は、まさにこのようだったに違いない。

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